世界的にトップレベルの大学として知られているのが、イギリスのオックスフォード大学とケンブリッジ大学です。海外留学を具体的に考えたことがなくても、大学名を知っている方が多いでしょう。
イギリスのこの2大名門校は、互いにライバル関係にあるといわれていることをご存じですか。この記事では、オックスフォード大学とケンブリッジ大学の違いや共通点、そして、留学する方法を解説していきます。
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オックスフォード大学とケンブリッジ大学の違いは、ひとことで表せば「特化した分野」です。2校とも文系・理系どちらもレベルが高いのは事実ですが、一般的にオックスフォードは文系が強く、ケンブリッジは理系が強いイメージがあるようです。その理由は、それぞれの大学の著名な卒業生からきているのかもしれません。
オックスフォード大学はこれまで10名以上のイギリス首相を輩出しています。ほかにも著名な卒業生として、J・R・R・トールキンやアダム・スミスが挙げられます。J・R・R・トールキンは、映画「ロード・オブ・ザ・リング」の原作である「指輪物語」の著者で、物語の世界観には高度な人文学の研究が影響しています。
また、アダム・スミスは18世紀の経済学者であり哲学者で、彼の研究は資本主義社会の形成に大きく影響したと考えられています。
一方、ケンブリッジ大学の著名な卒業生には、物理学者のスティーブン・ホーキングやアイザック・ニュートンが挙げられます。アイザック・ニュートンは「相対性理論」の親として知られる学者で、スティーブン・ホーキングはブラックホールの研究などで多くの功績を残した現代の学者です。
このように、オックスフォードでは政治や文化の分野で有名な卒業生が多く、ケンブリッジ大学には物理学や宇宙学の発展に大きく貢献した学者が多いといえます。
地域性の面からも、オックスフォード大学とケンブリッジ大学の違いについてみていきましょう。オックスフォードもケンブリッジもイギリスの首都・ロンドンから同じくらい離れた距離にある街ですが、オックスフォードのほうがケンブリッジより都会といえます。
オックスフォードは、ケンブリッジより人口が2万人くらい多く、歴史的に産業都市というイメージが強いそうです。また、映画「ハリー・ポッター」のロケ地や、イギリスを代表する博物館がいくつもあり、観光スポットが多く人が集まりやすい街なのです。
いっぽうでケンブリッジは、オックスフォードに比べ、街がコンパクトにまとまっていて、自然豊かな環境です。のんびりとした雰囲気を感じられる街で、古き良きイギリスの風景を楽しめるでしょう。
大学の規模は、キャンパスと学生寮が一緒になった「カレッジ」数についてはオックスフォード大学が39、ケンブリッジ大学は31となっています。また、オックスフォードは図書館やコンピューター施設の数が多く、研究環境がより充実しているといわれています。
ここまではオックスフォード大学とケンブリッジ大学についてふれてきましたが、やはり同じイギリスの大学ということで教育制度は共通しています。ここからは、日本の大学の教育制度と比較しながら、オックスフォード大学とケンブリッジ大学の教育制度について解説していきます。
日本の大学は基本的に4年制で、1年生から2年生にかけて基礎的な教養科目を広く浅く勉強します。そして、3年生から各自の専攻分野のゼミに入り研究を進め、4年生では卒業論文にとりかかります。
いっぽうでオックスフォード大学とケンブリッジ大学のようなイギリス式教育制度の大学では、基本的に3年制です。基礎的な教養科目はほとんど勉強せず、入学当初から専攻分野の研究を始めるのが日本の大学との大きな違いです。
イギリスの大学が入学時から専門分野の勉強をする理由は、イギリスでは高校にあたる教育課程で基礎的な教養科目を学ぶからです。イギリスの高校では、生徒が大学の専攻分野を決めて、それに関した勉強をしています。
オックスフォード大学とケンブリッジ大学に留学を希望する際に気をつけなくてはならないことは、この2校はイギリスの他の大学とは入学条件が異なる点です。
日本の高校を卒業した学生がイギリスの大学に留学する場合、一般的には大学入学前に1年間の「ファウンデーションコース」を修了することが求められます。ファウンデーションコースとはイギリス式教育制度のなかで、日本でいう高等学校にあたる教育内容を勉強するコースです。
イギリスの学生は、大学進学前に基礎教養科目をすでに履修しています。そのため、留学生は大学進学前にイギリスの生徒と同じ教育レベルに達するよう、ファウンデーションコースを修了する必要があるのです。ファウンデーションコースでは、基礎教養科目や大学の専攻に関する科目を学びます。
ファウンデーションコースには、学生が付属大学や提携大学へ入学するためのサポートのような役割があります。しかし、じつはオックスフォード大学とケンブリッジ大学の2校へ留学する場合、このファウンデーションコースを経て入学する方法はありません。
では、留学生がオックスフォード大学とケンブリッジ大学に入学するには、どんな方法があるのでしょうか。それは、「Aレベルテスト」を受験する方法です。Aレベルテストとはイギリス式教育制度において大学進学を希望する学生が受験する全体テストで、この試験のスコアが大学入学の基準となります。
そのため、オックスフォード大学とケンブリッジ大学へ入学するためにはAレベルテストを受験して、この2校への入学を目指すイギリスや他国の学生と同じくらいの高スコアを取得しなくてはならないのです。この2校へ入学するには、Aレベルテストのすべての科目で、満点に近い成績でなくてはならないといわれています。
ただし、オックスフォード大学とケンブリッジ大学への入学ハードルは、Aレベルテストだけではありません。入学試験では、高度な英語力を証明するTOEFLやIELTSのスコア、自己PRや学習意欲を伝える英文エッセイ、そして、論理的思考やコミュニケーション力が問われる英語面接があります。
世界的に有名なイギリスの2大名門大学、オックスフォード大学とケンブリッジ大学は、お互いにライバル関係にあるといわれています。どちらも全体的に高レベルな大学ですが、オックスフォードは文系が、ケンブリッジは理系が強いというイメージが一般的にあるようです。
この2校の違いは地域性や規模にもみられ、オックスフォードは都会的で街の人口も多く、観光スポットも豊富です。また、オックスフォードはケンブリッジよりも大学施設が充実しています。いっぽうで、この2校はイギリス式教育制度であることと、ファウンデーションコース経由で入学する留学パターンがとれないことが共通しています。
留学生がこの2校に入学するには、現地や他国の学生と同じようにAレベルテストで高スコアを取得する必要があります。さらに、高度な英語力に加え、エッセイや面接において見られる表現力と論理的な思考も、重要な入学基準となるのです。
Q&AまとめQ&A
歴史ある文化や伝統が色濃く残るイギリスは、古い伝統も守りながらも、 常に流行の発信地としてファッション・アート・音楽・考え方や技術などを生み出し世界中に発信している国としても有名。 英語教育にも古い歴史をもち、語学学校の質や教育レベルも世界的に高いです。 英語発祥の地として、上品なクイーンズイングリッシュを学ぶことができることが魅力。 多国籍国家でもあるため国際色豊かで留学生でも住みやすい雰囲気があります。 ヨーロッパ各国へ小旅行を楽しむこともできる、ヨーロッパの魅力たっぷりの国です。