社会人になって働き始めると、なかなかまとまった休みを取るのは難しいもの。ですから、大学生のうちに海外留学を経験しておきたいと考える人は少なくありません。
最近では将来のキャリアのために留学を目指す人もいますが、いざ行くとなったら時期に迷ってしまう人も多いのでは?
ここでは、大学生が留学するなら、何年生のいつがいいのか迷っている人のために、適した留学時期についてご紹介します。
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ビジネスの国際化が進み、グローバル人材が求められるなど、英語力がビジネスシーンの必須スキルになっている今、大学生の留学も年々増えています。
日本学生支援機構の「協定等に基づく日本人学生留学状況調査」によると、大学等が把握している日本人学生の海外留学者数は、2017年度で年間10万5,301人となっています。
大学生が海外留学を実現するには、いくつかの方法があります。まずは、大学生が留学する方法を確認してみましょう。
「自分の行きたいタイミングで留学したい!」という場合、海外留学を専門に仲介する留学エージェントを利用する方法があります。
留学エージェントは国内に200近くあるといわれ、それぞれに得意分野や独自のサービスがあります。出発前の相談や留学中のサポート、帰国後のアフターケアまで手厚い留学エージェントも多く、安心して留学に集中することができるでしょう。
留学エージェントを利用する場合、たくさんある留学プログラムから自分に合ったものを探す手間はかかります。相談会やセミナーなどに参加して、自分の目的に合ったサービスを提供してくれる留学エージェントを見つけましょう。
ワーキングホリデー(通称ワーホリ)は、外国で仕事をして稼ぎながら現地生活ができる人気の制度です。18~30歳(国によって違いあり)と年齢制限があるため、大学生のうちに参加してみたいと考える人もいるでしょう。
1年間大学を休学してワーキングホリデーを利用する「休学ワーホリ」に挑戦する人も増えています。語学力が養われることはもちろん、海外で働いた経験は、きっと今後の人生に活かせるでしょう。
交換留学とは、大学に在籍しながら、海外の提携大学へ留学できる制度のこと。
大学によって留学先や期間は異なりますが、およそ1年間であることが多いようです。大学を休学せずに長期留学を実現できるだけでなく、留学先での授業が単位として認定されたり、費用の一部または全額が免除されたりなど、大学生にとってはまたとないチャンスといえるでしょう。
ただし、交換留学プログラムに参加するためには、大学内の選抜試験に合格する必要がある、高い英語力が求められるなど、きびしい条件をクリアする必要があります。文化交流が主目的のため、語学を学ぶ以外にもさまざまなプログラムが用意されていることが多いです。
大学の交換留学以外にも、奨学金などの形で、海外留学の支援を行っている公的機関がいくつかあります。
有名なところでは、文部科学省の「トビタテ!留学JAPAN」や、日本学生支援機構の「海外留学奨学金」などが挙げられます。制度によって対象者や条件、目的、留学でできることなどが異なりますので、自分がやりたいことと合っていれば、チャレンジしてみるのもいいでしょう。
大学時代に留学するのなら、最も気になるのが「いつ留学する?」という点でしょう。大学1年生から4年生まで、それぞれに良いところと、そうでないところがあり、万人に良い時期というのは存在しません。
大学1年生で留学を目指すなら、帰国後の将来設計をしっかり考えてから決断することをおすすめします。
というのも、大学1年生は入学して日が浅いため、学校の環境に慣れていなかったり、新しい友達やサークル活動など、人間関係がきちんと出来上がっていなかったりすることも多いでしょう。
留学で得るものも大きいですが、大学生活が安定していないまま海外留学してしまうと、帰国後に苦労する可能性があります。
そもそも、交換留学制度などは、大学2年生以上を対象としたものが多く、1年生では参加できない可能性も考えておかなければなりません。
不安があるなら、夏休みや春休みを利用して、まずは短期留学を経験してみてはいかがでしょうか。大学1年生のうちにしっかり単位を取得しておいて、2年生になってから長期留学するのもおすすめです。
それぞれの学年のポイントをつかんで、自分ならいつのタイミングがベストなのかを考えてみましょう。
大学2年生になると、大学生活に慣れ、将来を見据えて留学を考える人も増えるでしょう。大学1年生のうちに単位をたくさん取得しておけば、留年せずに長期留学することも可能です。
大学3年、4年になるとゼミや卒論などで忙しくなったり、インターンシップや就職活動が始まったりするため、2年が留学のベストタイミングといわれることも多いです。
長期留学する場合は、休学するか、単位が認められる認定留学プログラム、または交換留学プログラムを利用することを考える必要があります。いずれもメリット・デメリットがありますので、よく調べて選びましょう。
大学3年生の留学は、入学から2年間の準備期間があるので、大学内外での人間関係も築くことができ、大学の単位もある程度取得してから出発することができるため、留年の心配も少なく安心でしょう。
留学するまでに英語力をアップさせたり、アルバイトなどで費用を貯めたりすることで、精神的・金銭的に余裕を持つことができそうです。
ただし、3年生は就職活動のスタート期です。就職説明会やインターンなどに参加できない場合があることには注意しましょう。
最近は企業側もグローバル人材を歓迎することが多く、留学がデメリットになることは少なくなってきましたが、就活についてはしっかり計画を練っておくことをおすすめします。
大学4年生の場合、3年生までに卒業単位を取得できていれば、留年の心配をすることなく留学することも可能です。金銭面、人間関係面でも準備期間が長いので、安心して留学に臨めるでしょう。大学生活の集大成として海外留学に向かうことができそうです。
一方で、良くも悪くも将来に響いてしまうのもこの時期。海外生活で新しい自分を発見したり、本当にやりたかった分野に気付いたりするケースも多く、決まっていた就職先に進むかどうか悩む留学生もいます。
また、就職が決まっていない状態で留学する場合は、帰国後の就活に時間的余裕がなく、きびしいものになるかもしれません。卒論や卒試との兼ね合いも考えて、無理のない留学期間を設定してください。
大学生のあいだにできる留学はいくつもありますが、長期留学を実現するには、かなりの準備や計画が必須です。
何年生で留学するか、タイミングを吟味する必要もあるでしょう。そこでおすすめしたいのは、短期留学です。短期留学なら学年や英語力などを気にせず、いつでも自分のタイミングで実現させることができます。
短期留学は短いもので1週間、長くても3ヵ月ほどの留学スタイルですので、留年や単位の心配をすることなく、憧れの海外留学を実現できます。
短期であれば就活にも響きにくいので、大学3年生や4年生でも安心して出発できるでしょう。費用も長期と比べて少ないため、無理のないプランを選ぶことができます。
単位、就活、お金という大学留学の3大ハードルも難なくクリアできるでしょう。
大学生で長期留学するとなると、慣れない外国生活に苦労する人は多いもの。「長期留学はしたいけど、海外生活は不安」という人は、長期留学する前に短期留学を経験してみてはいかがでしょうか。
外国での授業スタイルや学生生活を体験しておけば、心構えができるだけでなく、長期留学するために足りないことも見えてくるでしょう。
大学4年生が卒業前に短期留学するのもおすすめです。単位も就職もクリアした4年生の卒業前なら、最後の社会勉強として見聞を広めるために留学するのもいいでしょう。
社会人になると時間の融通が利きにくいため、学生のうちに留学を経験しておくことがおすすめです。
休職や退職などのリスクを負うことなく、長期留学でじっくり海外生活できるのは大学生ならではの特権といえるでしょう。
国際化が進んでグローバル人材が求められる今、大学生の留学はメリットが多いものです。
その反面、単位取得や費用の確保、人間関係、就活への影響など、多角的に考えて時期を考える必要があるのも事実です。
負担が少なく、海外生活体験もできる短期留学を経験してみて、その後の長期留学を検討してみてはいかがでしょうか。