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世界一周に必要な予防接種の種類と、海外の病院の受診方法

更新日2024.01.16

世界一周に必要な予防接種の種類と、海外の病院の受診方法

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日本ではそれほど認知度ない病気でも、海外では現在も流行していて、最悪の場合は命を落とすような病気も蔓延している地域があります。他にも狂犬病など、気をつけようのない”事故”のような形で感染してしまう病気もあります。
それらのことも、事前に予防できるのであればするに越したことはありませんね。さらには、 文字文字予防接種済み証明書がないと入国させてくれない国があります

パナマに入国するときに、コロンビアから向かった人で、黄熱病の証明書がないと入国後数日隔離病棟に入れられ、病気感染がないことが確認されるとやっと入国できるという話を聞きました。(筆者は証明書を持っており問題なかったので、実際の話なのかは分かりませんが・・・)

せっかく行ってみたのに、国境で門前払いされて入国できないなんて事態は避けたいですね。それに、病気に感染したまま日本に帰国してしまい、自分が感染源になってしまったら大問題です。

予防接種は少々のお金と手間はかかりますが、 安心代として事前に済ませておくことをおススメします。実際に病気を罹ってからでは、お金、手間共に何倍も必要になりますから安いものかと思います。

もしも万が一、病気に罹ってしまった場合は、迅速に対応し安全を確保することが大切になります。このページでは、予防接種や流行の病気、さらには実際にかかってしまった時の海外での病院のかかり方など、ご紹介します。

予定している渡航先で必要な予防接種について確認

▶︎厚生労働省FORTHのホームページ
このページは厚生労働省検疫所が作成しているので信用できる、世界一周予定者にとってとても便利なサイトです。世界中の感染症の最新の流行状況や、予防方法などの詳細情報を掲載しています。

まずは、このサイトで自分が行く予定の国で流行している病気を把握しておきましょう。

(引用)http://world-travelers.info/

予防接種の種類は主にA型肝炎、破傷風、黄熱病、B型肝炎、狂犬病、ポリオ、日本脳炎などがあります。この中でも必ず必要と言われている予防接種はA型肝炎と破傷風です。

なぜならこの2つは世界のどの地域でも、感染するリスクが高いからです。その次に打つべきは狂犬病、次が腸チフス、日本脳炎の順番。黄熱病については、感染というよりも持っていないと入国できない国があるので必要、という認識です。

ただし人によっては、幼いころに接種済みのものがある方がいると思います。 受けていれば母子手帳に記載されているはずなので確認してみて下さい。

接種していても、抗体期間が過ぎていたりもするので、そちらも合わせて確認してくださいね。

世界一周旅行者が打つ主な予防接種

【A型肝炎】

A型肝炎は主に食べ物から感染してしまう病気です。感染すると食欲の低下、倦怠感、腹痛、吐き気、下痢などの症状が表れます。アジアやアフリカなどの広い範囲のあまり衛生面で整備されていない発展途上国で感染する可能性が高いです。

予防接種は2~4週間の間隔で2回接種します。 世界一周旅行者は途上国に訪れることの多いのでみなさん、確実に打っていく予防接種です。

【破傷風】

破傷風菌は世界中あらゆる土壌の、至る所に存在します。じつは、日本でも毎年患者が発生しているのです。とりわけ途上国では、怪我をしやすいですし医療が未発達のところも多いので、命に関わることもあります。

破傷風は傷口から感染するので、スポーツや体をうごかすアクティビティが好きな方は怪我をする可能性の高いので、接種をおススメします。

破傷風ワクチンは1968年から乳幼児向けに始まった3種混合ワクチン(ジフテリア、破傷風、百日せき)に含まれているので、もし定期の予防接種で破傷風・ジフテリアワクチンを12歳の時に受けていれば、20代前半位までは免疫があります。

なので 該当している方は追加接種は不要です。有効期間が過ぎている方は、1回の追加接種でさらに10年間有効な免疫がつきます。

【狂犬病】

日本国外、特に途上国では野良犬やその他動物が、街に沢山ウロウロしていることも良くあります。じつは気軽に触ろうとして、噛まれてしまったという旅行者は非常に多いのです。

狂犬病は、コウモリや犬などの哺乳類に噛まれることによって感染します。なんと 致死率100%とまで言われている、非常に危険な病気なのです。

かかってしまうと、全身痙攣、高熱、麻痺、などが起こって、最終的には死に至ります。狂犬病の予防接種は合計で3回接種します。4週間隔で2回接種し、更に6~12か月後に3回目の接種で2年間有効とされています。

3回きちんと打たないと効果がないので、間隔が長く面倒ですが根気よく接種しましょう。 もし犬やコウモリに噛まれてしまった場合は、すぐに傷口を水で洗い流し、消毒をして病院に受診してください。ひっかかれた場合も同様です。

暴露後ワクチンというもので、狂犬病発症を防ぐことができるかもしれません。

とにかく噛まれたら、手遅れになる前にすぐに病院へ行きましょう。日本では、暴露後ワクチンの接種は当日、3日、7日、14日、28日、90日の6回です。

国や地域によって、ワクチンの種類、接種回数、接種方法がちがうので、もしこの接種の途中に別の国に移動してしまうと、最初から接種し直す事もあります。

しかし、この暴露後ワクチンは必ずどこの病院でも準備されているとは限らないので、やはり予防接種が大切です。

【黄熱病】

黄熱病は、主に蚊にさされることで感染し、人から人へは感染しません。発症すると、筋肉痛、発熱、頭痛、寒気、吐き気などの症状が表れます。

アフリカや中南米で感染する危険性が高く、それらの熱病に感染する危険のある国にいく前には、必ず予防接種を受ける必要があります。黄熱病の予防接種済みである事の証明でもある、”イエローカード”がないと入国出来ない国も、アフリカ、中南米で多くもあります。

日本で接種すると、他の予防接種と比べて少し値段が高いですが、感染する危険のある国へ行く際は必ず打ちましょう。ちなみに筆者はブラジルに入国にイエローカードが必要になることを知らず、日本では接種しなかったのでペルーで接種しました。

日本より多少安かったとはいえ、見慣れぬところで注射を打つのは不安がありましたし、日本で打ってくればよかったなぁと後悔しました。入国ぎりぎりで焦るのも嫌ですし、やはり日本から前もって接種していくのを、おススメします。

【腸チフス】

腸チフスは、サルモネラ属のチフス菌による感染症です。感染した人の便や尿に汚染された水や氷、食べものを口にする事によって感染します。これは、ごく少量の菌によって感染することもあるのです。

口から移る病気ですが、下痢になることはあまりみられません。菌が腸に入った後に、血液中に侵入するのが特徴です。

感染して1~3週間は症状は出ないですがその後に、高熱、全身のだるさ、頭痛が、高熱時には便秘、数時間現れる腹、胸や背中のピンク色の発疹などの症状が現れます。

重大な症状として、腸に穴が開いたり、腸から出血したりすることもあります。腸チフスには有効なワクチンがありますが、日本では承認されていません。

しかし特定の医療機関では、外国から輸入したワクチンを接種しているので、接種希望の方は事前に調べておきましょう。

【日本脳炎】

日本脳炎は、日本脳炎ウイルスを持っている、蚊に刺されることによって感染する病気です。蚊に刺されないように対策することも大切ですが、予防接種の方がより確実です。

特にアジアで多く発症している病気で、世界一周旅行者に人気のタイやインドなどの国も感染の危険が高い地域とされているので、その地域に行く予定の方は、接種しておいた方がよいでしょう。

死亡率が非常に高く、後遺症が残る事も多い病気です。発症すると、高熱や痙攣、麻痺などが症状として表れます。

これは、定期の予防接種を完了していても、予防接種の有効期間は3~4年といわれています。もし摂取したことがある方でも、有効期間が過ぎていないか確認してみて下さいね。

主に 東南アジアや東アジアで発生しており、その地域に行く場合は打っておいた方がいいでしょう

【B型肝炎】

B型肝炎は、おもに唾液や血液の接触、体液の接触(性行為)によって感染する病気です。症状は倦怠感や、下痢、食欲の低下、吐き気、肝臓の機能の低下が現れます。

この病気は一過性で、ほとんどの人が完治すると言われていますし、感染経路も輸血などしない限り可能性も低いので、世界一周予定者の中には摂取していく方は少な目です。

感染の可能性がゼロではないので、時間や金銭的に余裕があれば、接種するといいでしょう。

【ポリオ】

ポリオは感染している人の、唾液や便などを介して感染する病気です。発熱、下痢、喉の痛み、吐き気など風邪と似た症状を引き起こします。

さらに重症化すると、主に手や足に弛緩性麻痺が現れ、その麻痺が一生残ってしまったり、呼吸困難で死亡することもあります。

しかし、現在ポリオが流行している国は アフガニスタン、ナイジェリア、パキスタンの3か国とされているので、それらの国、または周辺諸国に行く予定がない方は感染の可能性はかなり低いです。

こちらもB型肝炎と同じく、余裕があれば念のため摂取しておきたいですね。

接種のスケジュール

どんな予防接種を受けるかによって、すべて終わるまでにどのくらい日数がかかるか、決まってきます。予防接種の種類によって注射の回数がそれぞれ違い、例えば黄熱病は1回接種のみですが、狂犬病は3回接種する必要があります。

特に狂犬病は3回すべて終了するまでに半年かかるので、前もっての準備が必要です。

それぞれの予防接種の回数や、間隔もバラバラなので、世界一周が始まる前に希望のものがすべて受けられるようにきちんと予定を立てましょう。

〈引用〉http://www.zushi-ginzadori-clinic.com/
この表で回数やそのスケジュールを組んでみると簡単だと思います。とてもわかりやすいので参考にしてみて下さいね。

世界一周中に予防接種を受ける

〈引用〉http://world-travelers.info/
予防接種は日本で受けるとなると、高価なものです。

世界一周旅行は世界中の各国を周遊するので、その分様々な病気感染のリスクが大きく、打つ必要のある予防接種も当然多くなってしまいます。

合計で3回も打つ必要がある予防接種もありますし、 日本で完了する場合は全部で数万円はかかるとみておいた方がよいと思います。なんとか予防接種の費用を抑えたい、という方には世界一周の序盤に医療費の安い国で予防接種を受けるという方法があります。

安いからといって、ワクチンが古いだとか効果が薄いといったことは基本的にはありません。日本一般的に摂取されている、輸入のワクチンと同じものを使っている場合が多いです。

ちなみに世界一周経験者の中で最も有名なのが、タイのスネークファーム(正式名称はQueen Saovabha Memorial Institute and snake farm)という病院です。

立派な建物で、タイ赤十字が建設したれっきとした病院なので、心配ありません。西回りで世界一周予定している方は検討してみるといいかもしれません。

東周りの方でも、世界中に日本より予防接種が受けられる病院はあるので、興味がある方は調べてみて下さい。

もちろん予防接種なので、衛生面が不安な病院で受ける、なんてことないとは思いますが、いかんせん現地の言葉をちゃんと話すことができないのであれば、接種に不安を持つこともあるかもしれません。

さらに、予防接種を受ける予定の国に行くまでに、病気に罹ってしまっては元も子もありません。

基本的に金銭的に余裕があれば日本で接種することをおススメしますが、 日本で受けるのは高いし時間がない、海外で旅行しながら安く受けられるのであればいこうかな、という方がいれば、こういった方法もある、という事を頭の片隅に置いておいていただければ幸いです

海外の病院に受診する方法

上記の予防接種や感染症、またはほかの疾患でも海外で、病院にかかる可能性はみなさんあります。病院に受診せず、自己判断で投薬や休養をして病状を悪化させては元も子もありません。

先に予備知識があれば、海外での病院の受診もハードルが下がりますし、非常事態にもパニックにならず落ち着いて行動できるでしょう。言葉や習慣のちがう外国で、万が一に備えて下記のようなものが役立ちます。

【医療施設についての情報収集】

下記の外務省の公式ホームページには世界の医療事情に関する参考情報が載っています。現地で病院にかかる時のとても便利なページで、各国の情報が豊富に乗っているので、パソコンにブックマークしておくと安心です。

外務省・世界の医療事情
http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/
さらに各国の日本大使館や領事館は、現地で日本人がよく利用する病院や日本語の通じる医療機関の紹介なども行っているので、困ったときは相談してみると心強いです。

外務省・在外公館リスト
http://www.mofa.go.jp/mofaj/annai/zaigai/list/

【自分の連絡先のメモを用意しておく】

万が一自分が重症、またはパニックに陥ってしまって通常通り話すことが難しくなってしまっている事態が、起きる可能性もあります。そんな時のためにあらかじめ、 自分の連絡先が病院側にわかるように英語で、カードを用意しておくと安心です。

パスポートのコピーを用意して、その裏に手書きで記載すると便利です。カードには、下記の項目を記載しておきましょう。
・自分の名前、パスポート番号、血液型、アレルギーの有無、持病の有無
・現地在住か英語が堪能な友人、日本在住の家族、保険会社のコールセンター、日本大使館または領事館それぞれの連絡先

【海外のお医者さんに上手に症状を伝えるためには】

症状を伝える時には、恥ずかしがらずボディーランゲージを交えて率直に伝えることが大切です。

・例えば頭が痛い、という訴えをする時には自分の頭を指さして「痛い」と繰り返しても充分に伝わります。
・受診前に今の症状の経過を整理しておくとスムーズに伝えられます。どの部位に、いつから、どの程度の強さで起こったか、時間経過などを表や絵などで医師に見せると分かりやすく説明できます。
・医師の説明がよくわからない場合には、かんたんに「Yes」とは言わないで何回でも聞きましょう。間違って理解していたので、正確な診断や処置がされない、という事になってしまったら取り返しがつかない事になってしまいます。

【旅行保険】

保険会社によって様々ですが、世界中でキャッシュレスでかかることができる病院を用意している保険がほとんどだと思います。

病院にかかりたい疾患があったときに、最寄りの病院を探したり手続き方法を調べるのは時間がかかりますし大変なので、とりあえず 加入している旅行保険のコールセンターに相談するのが一番早いと思います。

さらには通訳サービスがある保険もありますので、もし利用できれば安心ですね。万が一の際、旅行保険に加入していないと莫大な医療費用に対応できないという事態に陥る可能性があるので、加入をおススメします。

保険付クレジットカードに加入している場合は、様々な医療サービスが受けられることがあります。

さらにはそれらのサービス会社から、各国の医療の情報を紹介している場合があるので、詳しくはクレジットカード会社に問い合わせてみて下さい。

まとめ


なかなか、世界一周前に準備することが多くてげんなりしてしまうかもしれないですが、こういった身の安全を確保する手間はぜひともかけて頂きたいです。

もしも緊急の事態に陥った場合は、時間も手間もかけられないですし、自分以外に頼れる人もいないかもしれません。事前に知っておくこと、用意しておくことは安心にもつながりますし、いざという時には必ず役に立ちますよ。

いざという事態は、起きないに越したことはないですが、自分の身を守るためにきちんと用意しておきましょう。

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