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今や生活必需品となっているスマホ。
一日まったく触らずに過ごす人はいないのでは?というくらい、多くの人の日々の暮らしに深く関わっています。
もし海外に留学に行くなどとなった場合は、家族や友達との連絡はもちろん、現地情報検索やSNS投稿などの機会も増えるでしょうから、よりスマホの利用頻度が上がると思います。
そんなときに気になるのがセキュリティ。
ただでさえ不安な海外滞在ですので、スマホのトラブルにまで巻き込まれたくないですよね。
実際に FREE Wi-Fiを使って海外でオンラインショッピングをする際にログイン情報やクレジットカード情報を抜き取られ、大変な金額をクレジットカード会社から請求される、クレジットカード自体が停止になるというケースも発生しています。
かと言ってスマホを使わないのは不便だし、セキュリティ対策するにしてもあまりコストはかけたくない・・・悩ましいところです。
今回は、 海外で安全にスマホを使うための方法「VPNアプリ」をご紹介します。海外で安心してスマホを使うために、是非本記事を参考にしてください!
VPNの話をする前に、まずは海外でスマホを使うための方法はどんなものがあるのか、軽くおさらいしてみたいと思います。使うまでの難易度やコストについても合わせてご紹介しますので、再確認してみましょう。
ポケットWifiとは、 「持ち運べるWifiをレンタルできるサービス」です。
業者と契約することで、インターネット接続されたWifiルータを一定期間借り、Wifiルータ経由でスマホを使用することができます。
自宅でWifiを使うのと同じ感覚で使用できるため、手軽さはナンバーワン、自分用のWiFiなので安全です。
しかし、ルータのレンタル費がそれなりにかかってしまうのがネック。 1~2ヶ月といった短期間のレンタルだと、初期費用8,000円、月額費用が4,000円弱/月といったところでしょうか。
便利さゆえのこの価格、という感じですね。
これは渡航先の現地で通信できるSIM(スマホ用通信カード)を契約し、今使っているSIMと差し替えて使うというものです。
ポケットWifiはルータを持ち歩く必要がありますが、 SIMはスマホに挿して使うため物が増えないというのはメリットですね。またこちらも安全です。
ただし、SIMの差し替えや設定などの作業が必要で、あまり慣れてない人だとちょっと大変かもしれません。
価格は例えば フィリピンの場合、1ヶ月約2,000円で8GBまで使用可能といったところです。慣れた人なら選択肢の候補に上がりそうですね。
スマホになるべくお金を使いたくないという人もいるでしょう。
海外渡航は何かとお金もかかりますので、下げられるコストはとことん下げたいところ。
そんな人の選択肢になるのが、フリーwifiです。
ホテルやショッピングセンター、レストランなどに設置されているフリーWifiを活用すれば、まったくコストをかけずにスマホが利用できるようになります。
Wifiの接続方法は掲示されているはずですので、ちょっと設定すればすぐ使えるようになります。利用にあたっての敷居もあまり高くないでしょう。
上記の方法だけを見ると、フリーWifiがもっとも魅力的なのは明らか。うまく活用して、コストをかけずにスマホを使いたいですよね。
しかし、だからといって安易にフリーWifiに飛びつくのはちょっと考えもの。フリーWifiには、フリーWifiゆえのリスクがあるからです。
フリーWifiは、基本的に誰でも使えるように公開されています。
その「誰でも使える」が危険で、そういった環境を悪用する人がいます。
油断していると通信内容を傍受されてログインIDやパスワード情報が盗まれてしまったり、ウィルスや遠隔操作ソフトなどを仕込まれてしまったりといったことも起こり得ます。
この世のフリーWifiのすべてが危険なわけではありませんが、こういったリスクがあるのは事実。 特に成田空港のフリーWiFiはセキュリティ面で弱く、そのままつなぐことはおすすめしません(つなぐとしてもネットサーフィン系ぐらにしておき、ショッピングは念の為控えましょう)。
VPNアプリはどんな時に利用したら良いのでしょうか?
特に以下のケースでは役に立ちます。
いまや多くの銀行は、インターネット経由で自分の口座にアクセスできるようになっています。残高確認はもちろん、振込手続きなどもできるようになっているのがほぼ当たり前という状況。
銀行以外にも、クレジットカードの利用明細、各種保険の契約情報など、インターネットで個人の情報を参照できるものはたくさんありますよね。
こういった重要情報へのアクセスは、より安全性が高い状態で行いたい。
これが第1の要件です。
万が一IDやパスワードを盗まれたら、大きな損害を受ける可能性があります。海外からのインターネット利用において、もっとも優先度が高いことと言えるでしょう。
意外に知らない人もいるかも知れませんが、 実はインターネット上の各種サービスは、世界のどこからでも利用できるものばかりとは限らないのです。
日本で使用できるサービスが、世界のどこに行っても使えるかというと、必ずしもそうでないものもあります。
例えばAmazon Prime Video、GYAO、TVer、AbemaTVなど。
これは海外からのアクセスの場合、安定した通信速度が確保できないため十分なサービス提供ができないなどの理由により、各社の判断により設定されています。
また、 国によっては、日本へのアクセスができないようブロックしているところもあります。
国家同士の関係性や、各国の考え方に基づいてそういった設定がされていることがあるのです。
その場合、例えばGoogleなどでキーワードを入れて検索しても、日本のサイトがまったく検索結果に出てこない状態になります。
中国はあまりにも有名ですが、その他の国ではこういった情報はあまり広く公開されることはないため、実際に海外に行ってみないとわからなかったり、インターネットを使ってもなかなか気づけなかったりします。
ブロック解除は簡単にしてもらえるものではないため、別の手段での対策が必要になりますね。
SNSが使えないケースも同様でしょう。
上記のような各種の悩みごとや希望を叶える方法ですが、実はあります。
しかも、なにか特別な装置を買ったりする必要はありません。 スマホのアプリを活用することによって実現できてしまうのです。
その名も「VPNアプリ」です。
「そんなアプリ、初めて聞いた」という人もいるかも知れません。
以下、VPNアプリとは何かという点や、各悩みのシーンに合わせたオススメアプリについて紹介していきます。
VPNアプリとは、要約すると「通信暗号化アプリ」です。 通信内容を暗号化し、他から覗き見できなくさせるためのものです。
ちなみにVPNとはVirtual Private Networkの略。
暗号化により、インターネットのような公衆ネットワークを、あたかも私設ネットワーク(プライベートネットワーク)かのように使うため、そのような名前がついています。
この説明だけ見ると、先に挙げた悩みのうち 「銀行へのアクセスなど重要な通信について、より安全性を高めたい」の項目だけしか解決できないように思えるかもしれませんが、実は他の悩みにも効くのです。
それでは、先に挙げた各悩みの順に、VPNアプリによってなぜ解決するのかを解説するとともに、それぞれの目的にあったオススメアプリをご紹介していきたいと思います!
これはVPNがもっとも得意とするところ。通信を暗号化することにより、第三者からの覗き見を防ぐことができるためです。
これを使えば、 フリーWifiであってもパスワードを盗まれてしまうリスクは下がるでしょう。
Android
ブラウザタイプのVPNソフトで、このブラウザで行われる通信が暗号化されます。特別な設定や通信手続きなどをすることなく、普段使いの感覚で安全性を高められる点が魅力ですね。
iOS
専用アプリをインストールすることなく、iOSの標準機能の設定のみで使えます。 VPNに必要な「VPNサーバ」を筑波大学が構築している点も魅力。国内の大学が関わってるとなれば安心感も高いですね。
VPNアプリを使うことで、通信スピードを上げることができるのです。これはさすがに信じられないと思う人もいるでしょう。
VPNにより通信を暗号化するのですから、暗号化の処理を行う分、通常より遅くなるはず。にもかかわらず通信スピードが上がるのはなぜ?
それはVPNアプリの機能の一つ「圧縮処理」によるもの。これにより通信データ量を削減することで、 通信にかかる時間を短くすることができるのです。通信の安全性を高めるとともに、快適な通信も得られるVPNアプリ、以下に紹介します。
Android
難しい設定もなくワンタップするだけで通信が高速化するVPNアプリです。接続先のVPNサーバは150か国で5,000以上も稼働しており、その中から端末の場所や通信環境などから最も適したVPNサーバを選択して接続します。
高度な知識や操作をする必要もなく高速通信ができるようになるのです。このお手軽さが嬉しいですね。
iOS
接続先の国を選択するだけで利用でき、速度も安定しているVPNアプリです。いろいろな国に繋ぎ変えを行い、速度が速いところを見つけて利用するのがおすすめ。
無料プランでは月500MBまでしか使えないという制限がありますが、有料プランへの移行を検討してもいいくらい優れたアプリです。
日本国内向けにしか提供していないサービスも、VPNアプリを使うことによって利用できるようになる可能性があります。
なぜ?と思う人もいるかも知れませんが、これはVPNの仕様によるものです。
ちょっと仕組みに踏み込んだ話になりますが、VPNアプリが暗号化するのはスマホとVPNサーバの間の通信。
実際のサービスへのアクセスはVPNサーバが行うため、VPNサーバが日本のサービスにアクセスできさえすれば、サービスとVPNサーバの通信は国内間の通信とみなされるため、日本のサービスが使えてしまうのです。
この場合、 実際にサービスを利用するスマホはどこにあっても問題ありません。
さてちょっと難しい話になってしまいましたが、それが実現可能なアプリをご紹介します。
Android
接続先のVPNサーバを選択することができるVPNアプリ。日本のVPNサーバを選べば、日本のサービスを利用できるようになります。
日本以外の国のVPNサーバへの接続も可能で、その間は日本のサービスは使えなくなるが、各国の国内専用サービスが使えるようになる可能性があります。
iOS
こちらも使用イメージは上記のセカイVPNと同様。日本のVPNサーバを選択して接続することにより、日本国内用の各種サービスへのアクセスができるようになります。
さて各種目的に応じたVPNアプリの特徴と、メリットをご紹介しました。これだけ見ると、「VPNを使わない理由はない」といえるアプリだと思った人も多いと思います。
実際、海外に行くならVPNアプリは必須。うまく活用することで海外のフリーWifiを安全に、しかも快適に使うことができるようになるからです。
しかし、メリットばかりに見えるVPNアプリにも、注意事項はあります。
使用にあたっては下記の点を気に留めておき、期待通りに動かなかったときに慌てないようにしましょう。
VPNアプリを使っていると、時々急にネットに繋がらなくなってしまったり、つながるけど非常に遅くなるということがあります。
これはVPNの性質によるものです。
VPNは端末とVPNサーバとの間の通信を暗号化し、実際のサービスまではVPNサーバが肩代わりして通信する仕組み。
その VPNサーバの調子が悪くなってしまうと、繋がらなくなったり遅くなったりということが起こってしまいます。VPNアプリはVPNサーバがボトルネックになるということは、よく覚えておくようにしましょう。
アプリによっては接続先VPNサーバを手動で変更できるものや、通信状況に合わせて自動で接続先VPNサーバを変更するものもあります。そういった対処で通信状況が改善することもありますよ。
VPNアプリのメリットの1つとして、海外にいながら日本国内向けサービスを利用できるという点がありましたが、必ずしもすべてのサービスが使えるわけではないという点も、ご承知おき願います。
例えばNetflixなど、 VPNアプリ経由での通信をブロックしているサービスもあるのです。
引用:Netflix
VPNアプリは、アプリ利用者にとっては便利なものですが、サービス提供者側から見ると誰がどこからつないできてるかわからないもの。
例えば動画サービスなどの場合、 VPNサーバが間に挟まることによって通信品質が変わり、視聴者に快適な動画を提供できなくなる可能性があります。
そのため、サービスの安定性、品質維持のためにVPN経由での通信を受け付けないところもあるようですね。
今まで使えていたサービスが、明日急に使えなくなることもあるかもしれません。そんなときは、VPNアプリ経由だから拒否されているかもしれないという可能性も考えてみるようにしてください。
スマホの契約では、翌1ヶ月で何GBまで利用できるといったプランがあり、あらかじめ決めた容量を超えてしまうと速度制限がかかるということがありますが、VPNアプリでもそういった制限がかかるものがあります。
VPNアプリの利用量が500MBを超えたら有料プランに切り替わるものもありますし、使用者が多くて混む時間帯は速度制限がかかるところもあるようです。
VPNアプリも一種の契約のようなものと捉えて、利用におけるルールがある点はよく理解しておいてください。
海外のフリーWifi利用に便利なVPNアプリをご紹介しました。
今回ご紹介したVPNアプリとフリーWifiを組み合わせることで、通信費を削減した上で安全性を高めることができます。
海外留学など、長期で海外滞在する人にはぜひ知っておいてほしい情報です。機能や注意事項を理解し、うまく使いこなしましょう!