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幼少の頃から国際交流等で外国の方と触れ合う機会があり、漠然と海外への興味がありました。一番の刺激となったのは、中学生の頃、地元の姉妹都市交流でホームステイ先に立候補し、アメリカ人の女の子を受け入れたことです。その後大学で英語を専攻したことで、将来海外で生活してみたい、外国の方と対等にコミュニケーションが取れるようになりたい、という思いがますます募りました。部活動に専念していたため在学中の留学は叶いませんでしたが、就職後、留学費用を貯め、満を持してのワーホリ挑戦でした。
海外で働くことが前提にあったので、ワーキングホリデーが出来る国を調べました。クイーンズイングリッシュを学べるところや、最先端のファッションや伝統的な文化を肌で感じられるところに魅力を感じました。ヨーロッパ旅行がしやすいところもポイントが高かったです。
大学の卒業旅行でロンドンを訪れたことがあったのですが、日本と共通する部分が多々あったことや、どことなく住みやすさを感じたところも選んだ要因です。
ワーキングホリデービザは、学生ビザや観光ビザに比べて渡航中の制限が少ないため、自分の好きなようにプランを組めることができます。勉強してもよし、旅行するもよし、しっかり働くもよしなので、海外での就労体験も旅行も楽しみたい人にとってはぴったりです。現地で働くことの厳しさもありますが、そこがまた魅力でもあります。
イギリス、中でもロンドンは世界でも屈指のダイバーシティなので、少し歩くだけでも数多くの人種の方々に出会います。また、世界が誇る伝統文化だけでなく、最先端のファッションやエンターテインメント、文化の発信源でもあるため、街中が刺激で溢れています。ロイヤルファミリーや礼儀を重んじるところなど、どこか日本と共通する文化もあるので、欧米ながら親しみやすい国かと思います。
料理が美味しくないと言われがちですが、本場のアフタヌーンティで食べられるお菓子やサンドイッチ、紅茶は格別です。
イギリス・ロンドンにあるお洒落な街コヴェントガーデンからテムズ川へ向かって歩いたところにある、サマーセットハウスがお気に入りです。建物はまるでお城のような荘厳な造りですが、季節やイベント毎に様変わりします。中にあるギャラリーを訪れたり、夏はお酒を飲みながら野外映画イベントに参加したり、ファッションウィーク期間中に奇抜なデザイナーの作品を見たり、冬のアイスリンクでは綺麗なクリスマスツリーを見ながらアイススケートをしたりと、度々足を運びました。お洒落な気分が味わえるスポットです。
コミュニケーションが取れるようになったのは1ヵ月以上過ぎた頃だったと思います。耳が慣れてきて、相手の言っている言葉がフレーズとして頭に浮かべられるようになり、話しかけられた内容を理解できるようになりました。また、相手に自分の意志が伝わり会話が続くようになったと感じたのは2~3ヵ月を過ぎた頃でした。
スピーキングには全く自信がありませんでした。入国審査で割としつこく質問された時、相手の言っていることは理解できるのに言いたいことが伝えられずドキドキした感覚を今でも覚えています。文法やリスニングは学生時代にある程度学習していましたが、ネイティブ相手に会話を続けるほどの語学力はありませんでした。
学校に通ったことだけでなく、ネイティブの友人が出来たことや現地企業で仕事をしたことで、格段にレベルアップしたと感じています。簡単なメッセージ一つ送るのにも初めの頃は画面とにらめっこしながら奮闘していましたが、今ではテンポよくやりとりを送りあえるまでになりました。苦手としていたスピーキングもたまに単語を度忘れすることはありますが、英語で話す際に感じていた羞恥心や恐怖のようなものはぐっと減りました。
英語ONLYの環境を作ることと、とにかく会話することではないでしょうか。私が実践していたのは、携帯電話の言語を英語設定にしたり、映画を英語字幕で見たり、生活の中で目に触れるものを英語にしていました。また、職場やシェアハウスでもネイティブスピーカーと話す環境があったので、リスニングとスピーキングは会話をすることで鍛えられました。間違っていてもそれを気にしすぎず、繰り返し会話の練習を日常的に行うことが大切だと思います。
言葉や文化の違いを知ることで交流の幅が広がり、今まで見ていたものが違ったように見えるようになりました。また、外国だけでなく、日本の良さを改めて知ることができました。今はインターネットですぐに世界のニュースを調べたり、外国人と繋がることが出来ますが、やはり実際に現地に立ち暮らしてみなければ得られないことがたくさんあります。
イギリス人大家さんの家で、まるでホームステイのようなシェアハウス生活をしていたのですが、そこで過ごす日常が私にとってかけがえのない時間でした。大家さんはもう70歳近いのですが、学校で演劇の先生をしている素敵なキャリアウーマンでした。お互い仕事から帰ってきてワインを飲みながら一緒にご飯を食べたり、大家さんの家族を呼んで庭でBBQをしたり、家族の一員のように接してくれたことが温かい思い出として残っています。誕生日や仕事が決まった時は私よりも喜んでくれて、良い出会いに恵まれたなぁとしみじみ感じています。大家さんの猫も懐いてくれて、毎日一緒に寝てくれていたのが今でも恋しいです。