海外は日本と比べると治安が悪い傾向にあります。そのため留学を考えた場合に、留学先が安全かどうかは大変気になることでしょう。この記事ではロンドンの治安についてご紹介しますが、ロンドンには比較的安全なエリアと、そうでないエリアがあります。
留学をお考えの方は、近寄らないほうがいいエリアや、トラブルにあった際の対処法について知っていきましょう。
また、ロンドン留学の概要についてはこちらの記事でまとめていますので、ロンドン留学にご興味のある方はぜひ合わせてご覧ください。
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ロンドンと聞いて、あなたはどんなイメージを持ちますか?ファッションの中心地、歴史ある観光地、そして多国籍な大都市。でも、「治安ってどうなんだろう?」と不安を感じる方も多いはず。ここでは、ロンドンの治安状況を客観的なデータで紐解き、日本との違いや安全に過ごすためのコツを紹介します。
ロンドンは世界有数の国際都市であり、その特性上、軽犯罪を中心とした犯罪の報告は少なくありません。実際、生活情報サイト「Numbeo」によると、2025年時点でのロンドンの犯罪指数は約55前後で、ニューヨークやパリといった他の欧米の大都市と同程度とされています。これは決して「危険な都市」を意味する数値ではなく、大都市ならではの注意点があることを示しています。
都市名 | 犯罪指数(2025年) | 治安指数(※) |
ロンドン | 55.3 | 44.7 |
東京 | 23.2 | 76.8 |
ニューヨーク | 52.1 | 47.9 |
パリ | 58.6 | 41.4 |
シドニー | 34.4 | 65.6 |
※治安指数 = 100 – 犯罪指数(数値が高いほど安全)
https://www.numbeo.com/crime/region_rankings.jsp?region=150
この表からも分かる通り、ロンドンは東京と比べると治安は劣りますが、欧米主要都市と同水準にあるため、過度な心配は不要です。スリや置き引き、自転車の盗難といった軽犯罪が主であり、基本的な対策を講じることでリスクを大幅に減らすことが可能です。
日本とイギリスの治安を比べると、日本の方が全体的に安全性が高く、落とし物が返ってくる確率や公共交通機関の安全性、軽犯罪の発生率などの面で優れています。ロンドンでは、落とした財布やスマートフォンが返ってくる可能性は低く、駅構内やカフェでバッグを席に置いたままにする行為は非常に危険です。また、夜遅くに一人で歩くことや、暗い裏通りを通ることも避けるべきです。
一方で、ロンドンには防犯カメラが街中に設置されており、犯罪の抑止や犯人の特定に役立っているという側面もあります。警察への通報体制もしっかり整っており、何かトラブルがあった際には迅速に対応してもらえるケースも少なくありません。つまり、日本と比べて「自衛意識」が求められる場面は多いものの、都市としての安全インフラは整っているといえるでしょう。
ロンドンでは時間帯や季節によって治安状況が変化します。日中は観光客や通勤客で街がにぎわっており、比較的安全に過ごせますが、夕方から夜にかけては様子が変わります。特に週末の夜は、パブやクラブ周辺で酔客による騒動や軽微な暴力事件が発生しやすくなり、注意が必要です。深夜や早朝に一人で出歩くことは避け、どうしても移動が必要な場合は、Uberなどの安全な移動手段を利用するのが賢明です。
季節による変化もあります。たとえば、観光客が多く訪れる夏のシーズンには、スリや詐欺の被害が増加する傾向があります。また、冬季は日没が早く、16時台には暗くなってしまうため、帰宅時間の調整や明るいルートの確保が重要になります。クリスマスや大型セールの時期はショッピングエリアの混雑が激しくなり、置き引きや盗難のリスクも高まります。こうした時間帯や季節ごとの特徴を理解し、行動を調整することで、ロンドンでの生活をより安心して楽しむことができるでしょう。
ロンドンの治安はヨーロッパの中では比較的治安がいいことで知られていますが、スリや置き引きなどの軽犯罪は多く発生しています。そこでここでは、治安が悪く注意しなければならないエリアと、治安がよいエリアにわけて街をご紹介します。
・Greenwich(グリニッジ)
・Lewisham(ルイシャム)
・Croydon(クロイドン)
・Barking and Dagenham(バーキング・アンド・ダゲナム)
以上のエリアでは軽犯罪が多い傾向にあり、近寄る際には十分に注意する必要があります。観光地の多いロンドンでは油断しがちな方も多いですが、そんな観光客を狙ったスリなどが頻繁に起こっています。
ロンドンにも人気がないエリアなどあるため、基本的には外出時に気をつけるようにしましょう。日本とは違い、海外にいるということを普段から意識することが重要です。
・Camden(カムデン)
・Kensington and Chelsea(ケンジントン&チェルシー)
・Islington(イズリントン)
・Hackeny(ハックニー)
・Hammersmith and Fullham(ハマースミス・アンド・フラム)
・Southwark(サザーク)
これらのエリアでは裕福層の方たちが住んでいる傾向にあり、犯罪の数が少ない傾向にあります。しかしいくら安全なエリアといっても、こういった犯罪は日々横行しています。そのため、どのエリアでも油断せず、普段から身の回りには注意しましょう。
ロンドンで発生している犯罪はある程度決まっています。ここではどのような犯罪が起こっているのかやこういった犯罪にはどう対処すればいいのかなどをご紹介します。
ロンドンで最も多く報告されている犯罪の一つがスリや窃盗です。特に観光客や留学生は「慣れていない」「警戒が薄い」と見なされ、格好のターゲットになります。手口としては、混雑した電車内で背後からリュックに手を入れる、複数人で声をかけて気を引き、その隙に仲間がバッグから財布やスマートフォンを抜き取るといった巧妙なものが多く見られます。特に観光スポットや地下鉄の車内、賑やかな繁華街では注意が必要です。荷物は常に身体の前で持ち、ファスナー付きのバッグを使い、携帯や財布などの貴重品は服の内側ポケットや分散収納を心がけましょう。ぼんやり立ち止まっていると狙われやすいため、常に周囲に気を配る姿勢が大切です。
ロンドンの地下鉄やバスでは、通勤時間帯や観光シーズンの混雑を利用したスリが多発しています。特に手提げバッグや背中に背負ったリュックは狙われやすく、本人が気づかないうちに貴重品が抜き取られるケースが少なくありません。対策としては、リュックを前に抱える、座る際にはバッグを膝の上に置く、背後に人が立たないよう立ち位置を工夫するといった基本的なことが非常に有効です。日常的に公共交通機関を使う留学生にとっては、スマートフォンや定期券、現金をすべて一か所にまとめず分けて持つことも重要です。電車やバスでは、気を抜かず常に「人目につくところに自分の荷物を置く」という習慣を意識しましょう。
有名観光地やにぎわう広場では、観光客を狙った窃盗が頻発しています。例えば、「写真を撮ってあげますよ」と親切そうに声をかけて近づき、その隙にバッグを盗む、「募金活動のふり」をして接近し、気を引いて財布をすり取るなどの手口が多く報告されています。カメラやスマートフォンを地面やベンチに置いたまま写真を撮ると、あっという間に持ち去られる可能性もあります。対策としては、常に荷物に手を添えること、声をかけてくる人をすぐに信用しないこと、観光時は極力必要最低限の貴重品だけを持ち歩くことなどが有効です。特に写真を頼まれた場合は、他の観光客に頼むなど慎重な対応を心がけましょう。
クラブやパブなどで夜を楽しむ際には、窃盗やトラブルのリスクが高まります。人混みの中ではバッグやジャケットから財布を抜き取られたり、置いていたスマートフォンが紛失したりすることが頻繁に起こります。また、アルコールの影響で判断力が鈍ると、危険な相手や状況を見抜けなくなる可能性もあるため注意が必要です。飲み物は絶対に放置せず、トイレなどで席を離れる際は必ず友人に預けるか一緒に行動しましょう。理想は、複数人のグループで出かけ、帰宅方法もあらかじめ決めておくことです。深夜の徒歩帰宅や見知らぬ相手の車に乗ることは避け、安全な移動手段を確保するのが鉄則です。
留学生をターゲットにした詐欺や悪質商法も無視できません。特にロンドン到着直後の慣れていない時期に、学生割引を装った高額契約や、偽の警察官に罰金を要求されるケースなどが報告されています。また、家賃や敷金を不当に請求されたり、存在しない物件の契約金を前払いさせられたりするトラブルも少なくありません。これらの詐欺を見抜くには、契約前に評判や信頼性を確認し、契約書や身分証の提示を求めることが有効です。「すぐに決断を迫る相手」や「現金払いを強く勧めてくる相手」には特に注意が必要で、不審な点があれば一人で判断せず、大学のサポートオフィスや信頼できる第三者に相談することが大切です。
ロンドンでも痴漢や暴力事件は一定数発生しており、特に夜間の人気のない場所や公共交通機関での報告が目立ちます。日本に比べると自己防衛の意識がより強く求められ、声を出して助けを求めること、周囲に助けを求めることは恥ずかしいことではありません。夜道を一人で歩かない、暗い路地を避ける、なるべく人通りの多いルートを選ぶなど、基本的な行動原則を守ることが重要です。万が一、被害に遭いそうになった場合は、無理に抵抗せず逃げることを最優先とし、警察や近くの施設に助けを求めましょう。
イギリスでは日本と異なり、催涙スプレーなどの一部護身用品は法律で禁止されています。しかし、防犯ブザーやスマートフォンのSOS機能、警察に即時通報できるアプリなど、合法的かつ実用的な防犯ツールは多数あります。特に緊急通報アプリは、事前にダウンロードしておくと安心です。また、緊急連絡先を紙に書いて持ち歩く、スマホに「ICE(In Case of Emergency)」として登録しておくなどの備えも役立ちます。誤った防犯グッズの使用は違法となる可能性があるため、現地の法律を理解した上で、適切な方法で身を守る準備をしておきましょう。
ロンドンでの留学生活を安全に過ごすためには、まず日々の行動を見直し、基本的な防犯意識を習慣として身につけることが大切です。現金やパスポートなどの貴重品は1カ所にまとめず、バッグの内ポケットやシークレットポーチなどに分けて持ち歩くと安心です。住まいではドアや窓の施錠を徹底し、鍵を他人に預けることは避けましょう。日本と比べて治安意識が高い環境だからこそ、「自分の身は自分で守る」という感覚を持つことが必要です。
夜間の外出はできる限り控えるのが基本ですが、どうしても出かける必要がある場合は、人通りの多い道を選び、公認のタクシーやUberなどの配車アプリを活用すると安心です。また、出発前にはスマホの充電を十分にしておき、帰宅時間をあらかじめ友人に伝えておくといざというときに助けを求めやすくなります。
観光地や駅などの混雑した場所では、スリ被害が多発しています。背中に背負うリュックは前に抱えるスタイルにするか、体の前面でチャックを管理できるバッグを選ぶと安全です。また、「写真を撮ってください」と頼まれたり、募金や署名を装った不審な勧誘もスリの一環であることがあるため、少しでも違和感があるときは距離をとりましょう。
カフェやレストランでは、席選びと荷物管理がポイントです。できるだけ出入口やレジが見える位置の壁側に座り、バッグはひざの上か足元に置くようにします。椅子の背にかけたバッグは、盗難の標的になりやすいため避けましょう。特に混雑した店舗では、気づかないうちに荷物がなくなっているケースも少なくありません。
ATMを利用する際は、できるだけ明るく人通りのある場所を選び、操作中は周囲の視線に注意を払います。PINコードを入力する際は手で隠し、現金を受け取ったあとはその場で数えず、すぐにバッグやポケットにしまうことが鉄則です。多額の現金を持ち歩くことは避け、小まめに引き出す習慣を持つとよいでしょう。
地下鉄やバスを利用する際も、油断は禁物です。通勤ラッシュなどの混雑時は、バッグを体の前に持ち、チャックが外側にこないよう工夫しましょう。痴漢や不審者に遭遇した場合は、すぐに周囲に助けを求めたり、駅員に通報する勇気も必要です。女性一人での深夜移動は極力避け、複数人での行動を心がけましょう。
ロンドンでは、留学生を狙った詐欺も少なくありません。偽の警察官を名乗ってパスポートの提示を求めてくる事例や、学生割引を装った不自然な勧誘に注意が必要です。また、オンラインでの物件契約に関しても、事前の内見なしでお金を振り込むことはリスクが高く、避けるべきです。
会計時に料金を多く請求されるケースもあります。レシートを確認し、注文していない品が含まれていないかをその場でチェックしましょう。もし不明点があれば、その場で店員に確認し、曖昧なままにしないことがトラブル回避のポイントです。
留学中は、スマホやパソコンから多くの個人情報が漏れるリスクがあります。公共Wi-Fiを使用する際は、VPNの導入を検討し、銀行口座や個人データに関する操作は避けましょう。また、SNSの投稿によるリアルタイムの位置情報の共有は、トラブルを招く可能性があるため、投稿のタイミングやプライバシー設定にも注意が必要です。
万が一、犯罪やトラブルに巻き込まれた場合に備えて、警察や緊急通報番号(イギリスでは999)の使い方を事前に確認しておくと安心です。スマホにSOS機能を登録したり、防犯ブザーを携帯するなど、自分を守るための準備も忘れないようにしましょう。安全対策は「念のため」の備えが、いざというときに命を守ります。
ロンドン留学中、万が一スリや窃盗、パスポートの紛失といったトラブルに巻き込まれた際、迅速かつ冷静に対応するためには、あらかじめ具体的な行動手順と連絡先を把握しておくことが大切です。ここでは、緊急通報から大使館、留学エージェントのサポートまで、知っておきたい対応法をステップごとにご紹介します。
イギリスでの緊急通報番号は「999」です。命の危険がある事件、暴行、強盗、火災などの緊急事態が発生した場合は、ためらわずにこの番号に電話をかけましょう。一方で、事件後の報告や盗難届の提出など、緊急性がない場合には「101」へかけることで、適切に対応してもらえます。通報時は、「何があったのか」「いつ・どこで起きたのか」「加害者の特徴や逃走方向」など、できる限りの情報を落ち着いて伝えることが重要です。英語に不安がある場合、通訳サービス(Language Line)を依頼することも可能です。
盗難や被害に遭った場合、警察署に行って「Crime Reference Number(犯罪番号)」を発行してもらいましょう。これは保険請求や大使館での手続きに必要となります。ロンドン警視庁(Metropolitan Police)のウェブサイトでは、一部の軽犯罪についてオンラインでの届出も可能です。被害品の詳細、写真、購入証明書など、証拠となる情報を事前にまとめておくとスムーズです。
クレジットカードやキャッシュカードを紛失した場合、まずは利用停止の手続きを最優先に行いましょう。カード会社の24時間対応窓口に電話し、不正利用の有無も確認してください。VISA、Mastercard、JCBなど、各ブランドの緊急連絡先は事前にメモしておくと安心です。再発行には一定期間がかかるため、代替手段の準備(予備カード、電子決済アプリなど)も有効です。
パスポートの紛失や盗難に気づいたら、まず最寄りの警察署に被害届を出し、Crime Reference Numberを取得します。その後、ロンドンの在英日本国大使館で渡航書(Emergency Passport)または新規パスポートの申請を行います。手続きには、証明写真、身分証明書、滞在証明書(BRPカードなど)や申請書類が必要となり、手数料もかかります。事前に大使館のウェブサイトで必要書類を確認しておくと安心です。
ロンドンにある在英日本国大使館では、パスポートの再発行だけでなく、緊急時の援護やトラブル対応の相談にも応じています。電話番号は「020-7465-6500」、緊急用の夜間連絡先も同じ番号で自動音声対応があります。所在地は101-104 Piccadilly, London W1J 7JTで、最寄り駅はGreen Park駅です。受付時間は平日9:30~13:00/14:00~17:00となっています。
多くの留学エージェントは現地にオフィスを構えていたり、現地サポートを提供していたりします。そのため、なにかトラブルに巻き込まれた場合は、多くの面で助けになってくれます。留学エージェントの現地サポートには、以下のような内容があります。
・24時間緊急サポート
・治療や救援費用の保証
・病院や入院先などの手配
・翻訳・通訳サポート
・日常生活に関する相談受付
留学エージェントでは以上のサポートを現地で受けることが可能です。これらのサポートは代表的なものであり、留学会社によっても違いはありますが、自分ひとりでこれらの手続きをするのは大変難しいかもしれません。
ロンドンの治安を考えた場合、留学エージェントを利用していることで、こういったトラブルや手続きをスムーズに解決することができます。海外でのトラブルには巻き込まれないことが一番ですが、もしものときを考えて留学エージェントを利用しておくことをおすすめします。
トラブルに備えて留学保険に加入している場合、スリやけが、病院での治療などが補償されることがあります。請求には、警察のCrime Reference Number、領収書、診断書、事故発生の報告書などが必要になるため、これらを必ず保管しましょう。スマ留では、保険請求に関する手続きもサポートしており、不明点があればすぐに相談できます。
ロンドンの治安は比較的よい傾向にありますが、一部のエリアではスリや置き引きなどがあるため注意が必要になります。こういった犯罪から身を守る方法としてチャックの付いたショルダーバッグを利用したり、財布はポケットに入れておかないことなどがあります。
しかし、いくら注意してもトラブルに巻き込まれてしまう場合もあるため、そういった場面では現地警察に届け出を出したり、保険会社に連絡するようにしましょう。また留学エージェントではもしものときのトラブルにも対応してくれるため、事前に利用しておくことで安心して留学生活をおくることができるでしょう。また、ロンドン以外の地域の治安については下記をご覧ください。
歴史ある文化や伝統が色濃く残るイギリスは、古い伝統も守りながらも、 常に流行の発信地としてファッション・アート・音楽・考え方や技術などを生み出し世界中に発信している国としても有名です。 英語教育にも長い歴史をもち、語学学校の質や教育レベルも世界的に高いです。 イギリス留学では、英語発祥の地として、上品なクイーンズイングリッシュを学ぶことができることが魅力。 多国籍国家でもあるため、国際色豊かで留学生でも住みやすい雰囲気があります。 ヨーロッパ各国へ小旅行を楽しむこともできる、ヨーロッパの魅力たっぷりの国です。