大学の進路を考える方の中には、海外進学を選択する方もいます。海外に留学をしたいと思うことは大変すばらしいことです。また留学することで多くのメリットもあります。
しかし、海外進学で大学に入学するにはしっかりとした準備が必要になります。ここでは海外進学をすることでどういったメリットがあるのか、またなにが重要なのかなどをご紹介します。
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海外進学にはメリット・デメリットの両方が存在します。ここではこれらについてご紹介していきます。
海外進学のメリットはさまざまな分野について学ぶことができ、自身の将来を幅広くすることができるということでしょう。その理由として専攻科目を2年次から選択するということがあげられます。日本では多くの場合、入学時に専攻科を決めてから入学をしなければなりません。
しかし、海外の大学では1年時に専攻科目を決めるということはなく、幅広い分野から自身がなにを学びたいかを選択することができます。また、学力の向上や多様な文化にふれることで広い視野で物事を見ることができたりとほかにも多くのメリットがあります。
現代社会ではグローバル化が進んでおり、世界で通用するコミュニケーション能力や自国以外でもグローバル化に対応できる人材が求められています。そのため、海外進学は日本だけでなく世界で活躍するにはいい手段といえるでしょう。
環境そのものがデメリットといえるでしょう。周りの人たちは違う言語で会話をしあい、授業では日本語が話されることはありません。学校以外でも、食文化の違いや交通ルール、マナーなど、多くの場面で違いを感じるでしょう。また、海外の大学は卒業するのが日本に比べて難しいといわれています。
さらに英語での学習となると、それ相応の時間を必要とします。すでに英語がネイティブレベルでない限り、毎日の大学卒業へ向けた努力が必要になります。しかし、毎日こういった環境で生活することで英語力強化に繋がったり、日本にはない経験ができるため、卒業後に得られるものは大きいでしょう。
海外進学には必要になる条件がいくつかあります。ここではそれらを項目別にご紹介します。
大前提として海外進学には英語力が必要になります。日本ではTOEICが有名ですが海外進学には違う試験を受ける必要があります。この試験がIELTSまたはTOEFL、となります。
そのほかにも英語力を図る試験はありますが このふたつがほとんどの大学で必要になると考えておきましょう。大学により必要になるスコアは違いますが、IELTSでは約5.0~7.0ポイント以上、TOEFLでは約500~600点以上が必要とされています。
海外の大学では日本のような一斉の試験はありません。大学はなにを基準に合否を判断するのかというと、GPAという指標により学力を判断します。GPAとは高校や大学での成績を評価し、それをスコアに換算したものとなっています。進学にはこのGPAが平均して2.0~3.0以上必要になります。このGPAの点数は奨学金や進級にも影響するため大変重要となります。
海外の大学へ入学するには大金が必要になるかと聞かれると、答えはYesでもありNoでもあります。なぜなら大学によって学費が全く違うからです。しかし、日本での進学同様、資金があるに越したことはありません。また、多くの大学が資金残高の証明を求めているため、事前の準備が必要になるでしょう。
大学への出願には余裕をもった準備が必要になります。また出願をするには必要な書類があり、それらを集めなければなりません。必要な書類は以下になります。
・入学願書
・成績証明書
・IELTSやTOEFLのスコア証明書
・貯金残高証明書
以上のものがほとんどの海外の大学で必要になります。そのほかには大学によって・エッセイや・推薦状が必要になります。もしGPAの成績が低かった場合は、エッセイや推薦状、面接などで自身をアピールする必要があるでしょう。これらすべての必要書類を集めたうえで、自身の進学したい大学に提出することになります。
しかしこれらの手続きをひとりでするのは多大な時間や手間がかかるでしょう。そのため、海外進学をすると決めたら留学エージェントで手続きを手伝ってもらうという方法もあります。その際はしっかりと相談しながら手続きを完了させていくといいでしょう。
海外進学にかかる費用は国や大学によって大きく変わります。ここでは大まかな費用を国ごとに紹介します。また以下に記述される費用には学費や生活費など留学期間に必要になるものがすべて含まれています。
アメリカには数多くの大学が点在しており、費用もばらつきがあります。アメリカの大学は州立と私立の2種類に別れています。一般的な州立の大学では1年間に約220~440万円の学費になります。日本の国立大学とほぼ同じくらいの金額といえるでしょう。
私立大学は州立よりも高い傾向にあり、学費は1年間に490~710万円程度となっています。アメリカでは学力の高い大学のほうが学費が高い傾向にあります。
カナダの大学に進学する費用は1年につき約250~450万円で留学することが可能です。カナダの大学はほとんどが州立大学という特徴があります。大学間での教育水準に差があまりないため、どの大学でも質の高い教育を受けることが可能です。
また、コミュニティカレッジという2年生の大学もあり、このカレッジから編入という形でほかの大学に進学できる可能性もあります。カレッジの費用は1年で約120~150万円します。
オーストラリアの海外留学は1年で約190~300万円の費用がかかります。オーストラリアの大学には私立が2校しかなく、ほとんどが国立大学という特徴があります。文系などの学部は比較的安い傾向にありますが、理系や工学系の学部では実践的に機器などを取り入れ学習するため、高い費用になることがあるので注意が必要です。
ニュージーランドの大学進学に必要な費用は約1年間で約250~450万となります。ニュージーランドの大学にはある特徴があります。それは留学生の生活を保障する規定を定めているということです。
そのため生活に関する心配は少なく、安心して大学に通うことができます。また、ニュージーランドは大学の数こそ少ないですが留学生の受け入れが多く、教育水準は高い傾向にあります。
イギリスの大学進学にかかる費用は年間約200~300万円します。イギリスの大学はほとんどが公立大学であり、3年間での卒業が可能です。しかし、専攻科目によってはこれより高くなることもあるので注意が必要です。また、イギリスは物価自体が高いため、日々の生活からどのくらいの費用を使うか計画を立てる必要があるでしょう。
海外進学で大学を選択する際に考えておきたいことは、なぜ留学するのかということです。もし目標がなく、なんとなく海外留学にいきたいからというだけでは、留学中に厳しい生活を強いられるでしょう。
留学先を選ぶ重要なポイントはいくつかあります。
・なにを学びたいのか
・どの程度の費用が払えるのか
・留学先の環境
上記のことを考えながら目標設定をすることで、自身がなぜ海外進学をしたいのかが明確になってくるでしょう。海外の大学に留学するとなると、なにを学ぶかが重要になります。もしビジネスについて深く学びたいとなれば、大学を国別に比較し、どの大学が自身にベストなのかを選択することができます。
しかし、ここで費用を支払うことができるかをよく考えなければなりません。費用の話は保護者とも相談する必要があるでしょう。もし支払えるのであれば問題はありませんが、支払えなかった場合は別の手段を考えなければなりません。
支払いのひとつの方法として、奨学金制度が大学にあるか確認するということもいいでしょう。そうすることで、費用面であきらめていた大学にいける可能性もあります。
そのほかにも、留学先の環境も重要な項目のひとつです。留学先では暑かったり寒かったり、日本では体験したことがない気候に遭遇することもあるでしょう。これらの気候は私たちのモチベーションを左右するため、自身がどちらの天候が好きかを考慮したうえで留学先を決めましょう。
また、現地の治安についても知っておく必要があります。日本は大変安全な国のため、海外のようにスリや置き引きなどのトラブルに襲われることは少ないですが、海外では常に警戒していなければならないこともあります。
そのため、国を選択する際には危険な地域かそうでない地域かの見極めが重要です。また、人によっては留学後の現地就職も視野に入れて考える必要もあるかもしれません。
しかし、留学中にはこれら以外にも、なにか気になることやストレスになることが出てくるかもしれません。どうしても留学先を選びきれない場合は、長期休暇中に自身のいきたい国に短期留学をするという方法もあります。
実際に現地にいって環境や治安などを経験すれば、正規留学中の想像がつきやすくなるでしょう。また、英語力も鍛えることができるので一石二鳥といえますね。
海外進学にはデメリットも存在しますが、留学をすることによるメリットは非常に大きなものです。海外進学にはいくつか必要な資料や条件があるため、計画的な準備をしなければなりません。留学の費用は国や大学によってかなり差があります。そのため、留学前には学費の確認や生活費などの計算もしなければいけません。
留学先を選ぶポイントとしては費用も重要ですが、現地の環境や、どういったことが学びたいのかということを考えるのも大変重要な項目といえます。
これらを考慮し留学を決めたが、実際留学してみると想像していたものとは違ったということもあります。そうならないためにも事前に短期留学をしてみるのもおすすめとなっています。じっくり考えて、自分の将来によりよい進路を選びましょう。
日本の7割ほどの国土に「地球の箱庭」とよばれるほどの壮大な大自然が ぎゅぎゅっと詰まっているニュージーランドは世界中の人々を魅了しています。 南半球に位置しますが、歴史的背景からイギリス文化が色濃く残る国でもあり、イギリスにいるかのような優雅な雰囲気も味わえます。 物価も日本の3分の2程度、安全な国の一つでもあり治安も良好で、住みやすい国でもあります。