雄大な自然と多文化共生社会が魅力のカナダ。留学やワーキングホリデー、観光で訪れる日本人も多く、「治安が良い国」としてのイメージを持っている方も少なくありません。
本記事では、カナダの治安や各都市の特徴、トラブルを避けるための対策を公的情報源をもとにわかりやすく解説します。カナダ生活を安心して楽しむためのヒントを押さえておきましょう。
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カナダは連邦制を採る広大な国土を持ち、公用語には英語とフランス語が使用されます。世界でもトップクラスの生活水準や社会保障制度を誇り、国連の「人間開発指数(HDI)」でも常に上位に位置しています1。
「Global Peace Index 2023」では、カナダは163か国中11位にランクインしており、欧米諸国の中でも非常に高い平和度と評価されています2。Numbeoの「Crime Index by Country 2023」によると、カナダの犯罪指数は44.3で、“Moderate(中程度)”と位置づけられています3。凶悪犯罪の発生率は低めですが、都市部ではスリや置き引きが一定数あるため注意が必要です。
在カナダ日本国大使館も「カナダ全体の治安は比較的良好だが、都市によっては軽犯罪や薬物問題が見られる」と注意を呼びかけています4。治安の良さは州や都市ごとにばらつきがあるため、滞在先の地域情報を事前に調べることが重要です。
まずは、カナダ主要都市(トロント・バンクーバー・モントリオール)の治安状況を解説します。
オンタリオ州にあるカナダ最大の都市トロントは、人口約300万人以上が暮らし、金融やITなどのビジネスが盛んな都市です。
多民族都市としての側面があり、治安は比較的良好とされていますが、ダウンタウンではスリや置き引きが発生します。
夜間に治安が不安なエリアとして指摘される地域もあるため、現地の人や留学生向けコミュニティで最新情報を収集し、安全に留意してください。
ブリティッシュコロンビア州にあるバンクーバーは、自然と都市機能が調和した観光都市として人気です。
全体的に穏やかな雰囲気ですが、ダウンタウン・イーストサイド周辺など、一部地域では薬物問題が深刻化していると報告されています5。
観光客や留学生が多いエリアでも、夜間の人通りが少ない道は避けるようにしましょう。
ケベック州最大の都市モントリオールは、フランス語圏の文化が色濃く、ヨーロッパ調の街並みが魅力です。
中心部は観光客向けの警備体制が整っており比較的安全とされますが、旧市街や繁華街ではスリや置き引きが起こる可能性があります。
夜間は大通りを利用し、路地裏を一人で歩く際には十分に注意してください。
カナダで気をつけたい犯罪の種類と対策を解説します。
カナダ全体の犯罪率は低めですが、観光地や繁華街にはスリ・置き引きの被害が存在します。特にダウンタウンの人混みや公共交通機関内では、バッグのファスナーをしっかり閉めるなど、基本的な防犯意識を高めて行動しましょう。
カナダでは大麻が合法化されている州もありますが、ハードドラッグに関する問題が一部地域で深刻化しています5。
薬物売買や麻薬中毒者が集まるエリアに近づくと、思わぬトラブルに巻き込まれる可能性があります。特に夜間のダウンタウン・イーストサイド(バンクーバー)や一部の治安が悪いとされる地区は避けましょう。
カナダは車社会であり、車上荒らしや自動車盗難の事例が各都市で報告されています。車内に荷物を置きっぱなしにしない、見える場所に貴重品を置かない、セキュリティ装置を活用するなどの対策を徹底しましょう。
レンタカーを使用する際も同様の注意が必要です。
治安とは異なりますが、長期滞在をする際に気をつけるポイントも知っておきましょう。
カナダで6カ月以上の留学を行う場合は、就学許可証(Study Permit)が必要です6。ワーキングホリデーを希望する場合にも、所定のビザ枠に申し込む必要があります。
カナダ移民・難民・市民権省(IRCC)の公式サイトや在カナダ日本国大使館の情報をしっかり確認し、不備や期限切れに注意してください。
カナダでは、共同生活を行うシェアハウスや大学の学生寮を利用する学生が多いです。治安面を考慮するなら、防犯設備(オートロック、セキュリティカメラなど)が整った物件を選ぶことがおすすめです。
金銭や貴重品の管理方法、ルールの明確化など、同居人とのトラブルを防ぐために事前に取り決めをしておきましょう。
カナダでは州ごとに公的医療保険の仕組みが異なり、留学生が医療保険を利用できるかどうかは州や期間によって変わる場合があります7。
多くの場合、私的保険や学校提携の留学生向け保険に加入することが一般的です。診察費や入院費が高額になるケースもあるため、保険未加入での滞在は避けましょう。
次にカナダ生活で知っておきたい緊急連絡先と役立つ窓口をまとめます。
カナダでは警察・救急車・消防を呼ぶ際の共通番号は「911」です。携帯電話や公衆電話から無料で通報可能で、英語やフランス語で対応されます。緊急時には迷わずダイヤルしましょう。
パスポートの紛失・盗難など重大なトラブルに巻き込まれた際は、在カナダ日本国大使館や各都市の総領事館に連絡してください4。事前に連絡先や所在地を控えておくことで、いざというときにスムーズに対応できます。
カナダの語学学校や大学には留学生向けの国際部、ワーキングホリデー関連のサポート団体が多数存在します。ホームステイのトラブルや滞在先の住居問題、ビザに関する疑問などが生じたら、一人で抱え込まずにまずは相談してみましょう。
Q1:女性が一人で夜に歩いても大丈夫ですか?
A:カナダは比較的安全とされていますが、夜間はどの国でも注意が必要です。大通りを利用し、人通りの少ないエリアは避けましょう。タクシーや配車サービスを活用すると安心です。
Q2:大麻が合法と聞きましたが、どこでも吸えるのでしょうか?
A:カナダでは連邦レベルで一定の規制緩和がありますが、各州・市によって使用可能な場所や所持量などが異なります。公共の場での喫煙を禁止している地域も多いので、必ず現地のルールを確認してください。
Q3:氷点下の寒さが厳しい地域もあると聞きます。防寒以外に治安面で気をつけることは?
A:冬季は路面の凍結や吹雪による交通障害が起こりやすく、公共交通機関の乱れにより深夜の移動が困難になる場合があります。防寒対策だけでなく、夜間は早めに帰宅し、人目の多い場所を選ぶとより安全です。
カナダは世界的にも治安が良好と評されており、留学や旅行先としても人気が高い国です。大都市のダウンタウンではスリや置き引き、薬物関連のトラブルが報告されているエリアもあるため油断は禁物です。
長期滞在を予定している方は、ビザや保険などの手続き、住居選びをしっかり行い、現地での防犯意識を高めておきましょう。万が一トラブルに巻き込まれても、警察や大使館、学校のサポートを活用しつつ冷静に対処することで、安全にカナダ生活を楽しめるはずです。
世界2番目の国土を誇る広大な大地と雄大な自然が特徴のカナダは、都市ごとに雰囲気や気候が異なり、 冬にウィンタースポーツが楽しめる都市があるなど四季折々の魅力が溢れています。 多民族国家で移民が多く協調性を大切にする温かい国民性から、異文化の様々なバックグラウンドを持つ人々が仲良く暮らす国としても有名。 留学生が受け入れられやすい環境や雰囲気があり、訛りの少ないニュートラルな英語を話すため、 英語初心者も安心して留学することができます。