看護師になりたいと考えている方や、既に看護師をしている方の中には、オーストラリアの看護留学に興味をもっている方もいるかもしれません。看護留学でオーストラリアの医療を体感することで日本にはないスキルを身につけ、看護師としてのキャリアを積んだり、現地に就職することもできるでしょう。
しかし、オーストラリアの看護留学と一口にいってもどのようなことができるのか、疑問が多く出てくるかもしれません。ここではオーストラリアの看護留学の概要と共にそれらの疑問を解決していきます。
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そもそも、オーストラリアの看護師は日本の看護師と比べてどのような違いがあるのでしょうか。この違いについては以下の項目があげられます。
年収が日本の看護師に比べ高い
休暇取得日数が多い
時間外手当が高い傾向にある
オーストラリアの看護師には日本の看護師とは違った上記のような特徴があります。日本の看護師の平均年収は約480万円といわれています。それに比べてオーストラリアの看護師の年収は約535万円以上となっており、役職につくことで800万円以上の収入を得ている看護師もいます。
日本の看護師が常勤で働いた場合取れる有給休暇は10日間となっていますが、有給消化率が大変低い傾向にあります。その反面オーストラリアの看護師は有給を約6週間取得することができ、有給消化率も非常によい傾向にあります。
また、時間外に労働をおこなった場合は手当がつき、その額が土曜日で50%、日曜日で75%、祝日で150%などに設定されています。病院によってもパーセンテージは違いますが、総じて日本よりも高い傾向にあります。オーストラリアの看護留学でインターンをする際などは、日本との勤務形態や給料の差に驚くかもしれません。
オーストラリアで看護留学をするメリットはいくつかあります。ここではそれをご紹介していきます。
メリット
本場の医療英語を学ぶことができる
オーストラリアで看護師として働くことができる可能性がある
オーストラリアの現場を体験することができる
看護資格取得で永住権が申請できる
看護留学では、医療英語が実際にどのような場面で使われているのかを学ぶことができます。また、現地での看護師資格取得の試験対策をしたり、インターンで実際に病院に勤務したりなど、オーストラリアの正看護師として勤務するための経験を積むことができます。
そのほかには、日本では体験することのできない、オーストラリア独自の医療行為などを学ぶことができるため、日本の看護との違いを学ぶことができます。これらの経験は、自身の看護師としての価値を高めることにつながるでしょう。また、オーストラリアの看護師資格をとることによって、オーストラリアの永住権を手に入れることができるかもしれません。
オーストラリアは医療の先進国であるため、医療設備や労働環境などが整っている傾向にあります。そのため、看護留学をすることによって今後の看護師としてのキャリアやスキルアップにつながる可能性が高く、日本やオーストラリアに限らず、世界中で活躍できる可能性があります。
オーストラリアの看護師の資格を取得する場合には、日本での看護資格を所持しているかどうかにより状況が変わります。ここではそれぞれの資格取得方法をご紹介します。
オーストラリアで正看護師の資格を取得するには、オーストラリアの看護学科に1~2年就学したのちに、看護師登録をする必要があります。この看護師登録をするには高いレベルでの英語力の証明が必要になります。
英語力の目安はIELS7.0ポイント以上となっており、事前に基準をクリアできるだけの英語力をしっかりと身につけておく必要があります。基準をクリアしたうえで、日本での看護師資格やIELS7.0ポイントの英語力証明をオーストラリアの看護師資格看護協会に提出したのち、審査がおこなわれます。
この審査が合格の場合、オーストラリアでの看護実習などの必要条件を追加で伝えられます。実習が終了すると、晴れてオーストラリアの看護師として働くことが可能となります。
日本での看護師資格をもっていない場合は、まず正看護師と同じレベルの資格を取得する必要があります。1番の近道はオーストラリアの看護学校に入学し、3年間の就学をすることでしょう。
看護師資格を取得して看護登録機関に登録後、オーストラリアの看護師として働くことが可能になります。ただし、新しく看護師として働く方は看護師としての経験を積むために、病院内でおこなわれる新卒プログラムなどの参加が推奨されています。すぐに第一線で活躍することは難しいでしょう。
インターンシップは日本で正看護師資格を所持している方が、オーストラリアの病院や介護施設で働くことができるものになっています。また、インターンシップに参加するにはそれ以外にもいくつかの条件があります。下記がその条件になります。
ワーホリビザの取得が可能な方
英語で意思疎通が測れる方
日本での看護師経験がある方
以上の3点がオーストラリアで看護師として、インターンシップをすることができる条件になります。このインターンシップ中にはアシスタントナースという形で働くことになり、時給が発生します。このインターンシップ中の時給は最低で19~20ドルになっています。
日本人はオーストラリアのワーキングホリデービザで1年間の滞在が可能になるため、インターンシップができる期間は1年間となります。また、このようなインターンシップは留学会社で管理されていることが多く、そのプログラムを通して看護留学にいくことになります。
インターンでの看護留学にかかる費用は、約100~200万円といわれています。しかし、留学会社によって費用は違うため、事前に確認が必要になります。
資格の取得を目指したりインターンをしたりするほかに、語学学校で医療英語を学ぶために留学をする看護師もいます。学校によって内容は違いますが、医療英語の語学留学ではおもに以下のことを学ぶことができます。
医療現場で使われている実践的な英語演習
医療現場を想定した実演
医療現場でのコミュニケーション方法の練習
医療英語は海外で働こうとする看護師だけでなく、外国人の対応をすることも多くなっている日本の看護師にも必要とされつつあるものです。日本でも医療用語の学習をすることはできるかもしれませんが、留学をすることでよりスムーズに学習することができるでしょう。
語学学校ではナースの役割になって英語で実演してみたり、患者さんの立場になって看護の仕事を観察するといった実習をすることもできます。実際の現場を想定し、より実践的に練習することができます。
また、医療英語を踏まえながら患者さんや同僚とコミュニケーションをとることは、看護師として大変重要な役割になります。そのため、語学学校では現場を想定した、コミュニケーション方法などの学習もおこないます。
オーストラリアに看護留学を考えている方の中には、どこの都市に留学するのがいいのか迷っている方もいるでしょう。ここでは留学に人気の都市を取り上げ、それぞれの都市の特徴をご紹介します。
シドニーはオーストラリアでも最大の都市といわれていますが、自然環境にも恵まれており、街と自然が見事に調和しています。また、シドニーはオーストラリア内でも最大の経済都市といわれており、電車やフェリー、バスなど交通機関も発達しています。
そのため、普段の生活では必要なものは簡単にそろえることができ、便利に暮らすことができるでしょう。初めての海外での生活に不安を感じている方には、シドニーは非常におすすめとなっています。
メルボルンは世界で最も住みやすい都市に選ばれたこともある街で、その住みやすさを求め、多くの方がメルボルンに訪れます。そのため、メルボルンは多国籍な都市となっており、さまざまな人種の方々が暮らしています。
このことから、食事もバラエティーに富んでおり、スペイン料理からマレーシア料理、中華料理など、これ以外にもさまざまな食文化を体験することができます。また、治安が大変よく、安心して暮らすことができるでしょう。メルボルンでは留学生の受け入れに積極的な施設も多いため、看護留学には最適といえるでしょう。
ブリスベンは温暖な気候が特徴的な街であり、晴天の日がかなり多いことでも有名です。また、市内は大変コンパクトになっており、生活が大変便利な街でもあります。
ほかのシドニーやメルボルンとは違い人口が少ないため、家探しに困ることはないでしょう。家も安く借りることができる傾向にあります。
ブリスベンはビーチへのアクセスが大変よく、ゴールドコーストなどの有名ビーチに1時間程度でいくことができます。近くのエリアに短時間でいくことができるのもブリスベンの魅力といえるでしょう。
同じオーストラリアといえども、エリアによって環境は違います。留学先は事前に、自身にあった場所を探すようにしましょう。
日本の看護師とオーストラリア看護師には給料や休暇日数などの違いがあります。オーストラリアで看護師になる方法はその人の資格取得状況や看護経験により異なるため、自身に現時点でなにが必要なのかを考える必要があります。
看護学校やインターンシップではもちろん、語学学校での医療英語学習でも、実際の看護の現場を想定した実践的な知識を学ぶことができます。オーストラリアで看護留学を考える際には留学するエリアの環境も重要になってくるため、事前に調べておきましょう。
海外渡航経験の少ない方にも自信を持っておすすめできるのが、気さくでフレンドリーな人柄が魅力のオーストラリア。 多文化・多民族国家であるゆえ、馴染みやすく、何度も訪れたくなる心地よさがあります。 期間や渡航スタイルの選択肢が広く、短期留学やワーキングホリデーなど自分に合った形を選ぶことができるのもメリットです。