歴史ある街並みと多彩な文化で世界的に人気のイギリス。ロンドンや地方都市での留学・旅行を考えている方も多いと思いますが、「大都市の治安は大丈夫?」「どんなトラブルが多いの?」と気になる方もいるのではないでしょうか。
今回はイギリス各都市の治安や注意点、トラブルを避けるための対策を公的統計や信頼できるデータにもとづいて解説します。安心してイギリス生活を楽しむためのヒントを押さえておきましょう。
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イギリス(英国)は、イングランド・スコットランド・ウェールズ・北アイルランドで構成される連合王国です。経済規模が大きく、政治・教育システムも確立している一方、大都市では様々な人種や文化が混在し、治安に関する問題も指摘されることがあります。
「Global Peace Index 2023」では、イギリスは163か国中およそ37位にランクインしており、ヨーロッパ地域内では中堅クラスの平和度と評価されています1。
さらに「Numbeo」の「Crime Index by Country 2023」によると、イギリスの犯罪指数は46.9と“Moderate(中程度)”に位置づけられます2。凶悪犯罪こそ少ないものの、スリや強盗などの被害に遭うリスクはゼロではありません。
外務省や在英国日本国大使館も「都市部ではスリやひったくり、車上荒らしなどが見られる」と注意を促しています3。ただし、地方都市や郊外では穏やかな地域も多く、全体としては比較的安定した治安水準といえるでしょう。
まずはイギリス主要都市の治安状況を解説します。
首都ロンドンは人口約900万人を抱える巨大都市で、世界有数の金融・観光都市として知られます。
多くの観光客が集まる中心部(ウエストミンスター、オックスフォード・ストリート周辺など)では、スリや置き引きに注意が必要です。特に地下鉄(Tube)や観光名所付近では、人混みに紛れる手口が増えています。
夜間は街灯が少ないエリアを避け、タクシーの利用も検討すると安心です。
北西部に位置し、サッカーや音楽の街として有名なマンチェスターは、比較的若い世代が多い活気ある都市です。
中心部は再開発が進み安全性が向上していますが、周辺の住宅街では若者同士の軽犯罪やナイフ犯罪が発生するケースもあり4、夜に一人で出歩く際は注意が必要です。観光客が多い繁華街ではスリやひったくりも報告されています。
スコットランドの首都エディンバラは、世界遺産の街並みと芸術文化の祭典「エディンバラ・フェスティバル」で有名です。
観光客が多いロイヤルマイル周辺では、スリや置き引きが起こることもあるため油断は禁物ですが、他の大都市に比べると落ち着いた雰囲気で比較的安全といわれています。
夜でも人通りが多い繁華街を通れば、特別に危険を感じる場面は少ないでしょう。
次にイギリスで気をつけたい犯罪の種類と対策を解説します。
大都市を中心に、観光客や学生を狙った軽犯罪が最も多く報告されています。公共交通機関や繁華街、観光名所での貴重品管理に注意しましょう。
バッグはファスナー付きで、身体の前側に抱えるなど、防犯意識を高めることで被害を大きく減らせます。夜間は人通りの少ない道を避け、タクシーやバスを活用すると安心です。
イギリスでは車上荒らしや住宅侵入の被害が一定数発生しており、とくに都市部で多い傾向にあります5。
車内に貴重品やカバンを置きっぱなしにしないこと、住宅の玄関や窓の施錠を徹底することが大切です。
また、住宅街でも暗い路地は避け、照明のある道を選ぶなど、防犯を意識した行動が求められます。
イギリスでは近年、若年層によるナイフ犯罪が社会問題化しています4。
観光客や留学生が巻き込まれるケースは多くありませんが、夜間に危険エリアへ立ち入らない、飲酒トラブルを避けるなど、トラブルに近づかないようにする姿勢が重要です。
もし暴力事件に遭遇したら速やかに通報し、周囲に助けを求めてください。
治安とは異なりますが、留学の際に気をつけるポイントも把握しておくことが大切です。
ビザ関連やシェアハウスでの生活のコツなど、念頭に置いておきましょう。
EU離脱(Brexit)後、イギリスでの長期滞在には学生ビザや労働ビザなど、目的に合わせたビザの取得が必要となりました6。申請時の手続きや期限を守らないと、不法滞在扱いとなるリスクがあります。
英国内務省(Home Office)の最新情報を確認し、在英国日本国大使館や留学エージェントのサポートを活用しましょう。
イギリスの学生寮やシェアハウスでは、部屋の鍵や共同スペースの管理、生活費の分担などにまつわるトラブルが起きることがあります。
日本よりも治安意識が高く、ドアのロックを厳重にするのが当たり前といった習慣も多いので、慣れないうちはルールをしっかり確認しましょう。
盗難が起こりやすい環境下では貴重品管理を徹底し、問題があれば早めに大家や管理人、留学先の担当者に相談を。
イギリスの医療制度は国民保健サービス(NHS)が中心で、基本的に医療費は無料ですが、留学生や観光客は条件によっては費用がかかる場合があります7。
海外保険やNHSサーチャージの支払い状況をしっかり確認し、GP(かかりつけ医)の登録を早めに行っておくと、緊急時もスムーズに対応できます。A&E(救急外来)を利用する場合は待ち時間が長くなることもあるため、症状に応じた病院選びを意識しましょう。
次にイギリス現地で困った際の緊急連絡先と役立つ窓口をまとめます。
イギリスでは警察・救急車・消防すべてに対応する共通の緊急番号が「999」です。携帯電話や公衆電話から無料でかけられ、緊急時にはすぐに通報しましょう。近年は「112」もEU共通の緊急番号として利用できますが、在英中は「999」の方が認知度が高いです。
パスポートの紛失・盗難、重大なトラブルに巻き込まれた際は、在英国日本国大使館へ相談してください3。渡航前に大使館の連絡先や所在を必ずメモしておき、緊急時に備えることが大切です。留学生向けにビザや生活情報のサポートも行っています。
語学学校や大学の国際部、留学エージェントには、現地生活で起こりうるトラブルについて相談できる窓口があります。シェアハウスの問題からビザ関連の悩みまで、一人で抱えこまず早めに相談することで解決が早まるケースが多いです。
Q1:ロンドンは夜でも観光できますか?
A:ロンドン中心部は夜でも人通りが多く、比較的安全ですが、裏通りや住宅街は暗くなる場所もあります。深夜の移動時はタクシーやUberなどを利用し、防犯意識を持って行動すると安心です。
Q2:持ち歩かない方が良いものはありますか?
A:基本的に大金や不要な貴重品は持ち歩かない方が無難です。また、パスポートはコピーを携帯し、原本は安全な場所に保管するのがおすすめです。
Q3:サッカースタジアムやパブでの観戦は危険ですか?
A:英国のサッカー文化は熱狂的で、スタジアム周辺ではファン同士のトラブルが稀に起こります。しかし厳格なセキュリティ体制が整っているため、スタジアム内部は比較的安全です。パブ観戦は盛り上がりますが、酔客が多い時間帯は口論に巻き込まれないよう注意しましょう。
イギリスは世界的に見ても比較的安全な国とされていますが、都市部ではスリやひったくりなどの被害が一定数発生しています。夜間の外出時や荷物の管理にはしっかりと注意を払い、現地のルールや習慣を尊重しながら行動すると安心です。
特に留学や長期滞在を予定している方は、ビザ手続きや住居選び、医療制度の確認など、事前準備を徹底してください。万が一トラブルに見舞われても、警察や大使館、学校のサポート窓口を活用すれば解決できるケースが多いです。基本的な防犯意識をもって行動し、イギリスでの充実した生活を満喫しましょう。
歴史ある文化や伝統が色濃く残るイギリスは、古い伝統も守りながらも、 常に流行の発信地としてファッション・アート・音楽・考え方や技術などを生み出し世界中に発信している国としても有名です。 英語教育にも長い歴史をもち、語学学校の質や教育レベルも世界的に高いです。 イギリス留学では、英語発祥の地として、上品なクイーンズイングリッシュを学ぶことができることが魅力。 多国籍国家でもあるため、国際色豊かで留学生でも住みやすい雰囲気があります。 ヨーロッパ各国へ小旅行を楽しむこともできる、ヨーロッパの魅力たっぷりの国です。