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語学留学を目的としたワーキングホリデーなら、比較的治安の良いカナダがおすすめです。日本からの直行便が多く渡航しやすい上、カナダの英語の訛りはそんなに強いほうではなく、英語を聴き取る耳を鍛えられます。
また、カナダはイギリス英語とアメリカ英語の両方が混ざっていることから、どちらの学習者でも入りやすいのも特徴のひとつ。
今回は、そんなカナダのワーホリに必要な費用の総額と詳しい内訳を中心に解説します。後半ではバイト先の選び方も記載しますので、参考にしてみてくださいね。
合わせて、カナダワーホリの概要についてはこちらの記事でまとめておりますので、カナダでのワーホリをお考えの方はぜひご覧ください。
Co-opプログラムとは、カナダで学生ビザで就労することができるプログラムで、学校で学んだ専門的な知識やスキルを有給インターンシップを通して実践することができます。
分野はビジネスやIT、ホスピタリティなど様々です。また、学んだ知識は有給インターンシップを通して実践することができるので帰国後の就職活動にも役立ちます。
Co-opプログラムの詳細についてはこちらの記事でまとめておりますので、ご興味のある方はぜひこちらもご覧ください。
まずはカナダへのワーホリに必要な費用を解説します。総額は大きな金額になりますが、注目すべきは、どの時点で必要になる費用なのか、ということです。
カナダへのワーホリを1年間続ける場合、総額100~150万円が必要です。現地での家賃や食費、交際費などを含む生活レベルによって、金額に開きが出てきます。
また、現地でアルバイトを始める前の支出に関していえば、為替レートも関係してくることを覚えておきましょう。2019年9月3日現在は1カナダドルが約79円ですが、2017年~2018年は90円を超えていた時期があります。
現地ですぐに必要となるカナダドルを、お得なレートの内に準備しておくというのも、費用を抑える一つの方法です。
渡航前にかかる費用 |
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さて、ワーホリは現地でアルバイトをすることが可能です。日本で用意しておく費用と、現地で得る収入とは分けて考える必要があります。
ここでは、日本で用意すべき費用の中でも、すぐに支出が生じる渡航前費用について内訳を見てみましょう。
航空券は格安航空会社(LCC)を活用すれば、エコノミークラスで往復14~20万円が相場です。ただ、時期によっては変動します。
ワーホリの期間を決めているなら、片道航空券よりもFIX/OPEN航空券などの帰国便の変更が可能なものがおすすめです。この航空券は、たとえば1年オープンというタイプなら1年間の内ならいつ帰国してもよく、片道ずつ買うよりも安くなる傾向にあります。
ただし、通常航空券で一番安いのは往復の日程が確定しているチケットです。たとえばJALの場合は、2019年10月1日(木)発の直行便で、往復の日にちを指定できれば5万円台から購入できますが、オープンチケットだと最低でも30万円台です。
金額だけで見れば高額ですが、まだ語学力に自信のない出発時点では、日本人スタッフが手続きをしてくれる安心感がメリットです。直行でも9時間の長旅となるため、予算と快適さの両面を考慮して航空会社を選びましょう。
まず、ビザには複数の種類があることに注意しましょう。現地の学校に通う方もいると思いますが、ワーホリは学生ビザではなく、ワーホリ専用のビザの申請が必要です。申請手続きはオンラインでも行えます。
学生ビザとの大きな違いは、学生ビザの滞在可能期間が6ヶ月であるのに対し、ワーホリビザは1年間という点です。
ただし、ワーホリビザの場合は、語学学校へは通えますが、大学への進学は不可となっています。
ワーホリビザの申請はカナダ政府に行うため、金額はカナダドルで提示されます。申請費用は合計335カナダドルで、2019年9月3日現在のレートだと26,465円です。レート変動を考慮しても、3万円を用意しておけば足りるでしょう。
なお、ワーホリの申請枠には制限があります。2019年度は6,500人分で、現在は残り569枠です。申請枠に余裕のある内に手続きを行いましょう。
追記として、出費には関係ありませんが、ワーホリビザの申請条件に「最低2,500ドルを有すること」という項目があります。申請時点で20万円程度の残高証明が求められることがあるため、注意が必要です。
カナダのワーキングホリデービザの概要や申請方法などについては、こちらの記事で詳しくご紹介していますので、ぜひ合わせてご覧ください。
ワーホリビザの申請条件に、滞在期間中の医療保険への加入も記されているため、これは必須の費用です。
また、海外保険はプランによって医療費以外もカバーしてくれます。契約者に賠償責任が生じたときの補償や、航空機遅延費用、弁護士費用などの保険です。
各社、自分で必要なものを選べるプランや、選ばれることの多い保険をパックにしたものがあります。日本の保険会社、または世界的は保険会社で日本にも拠点がある保険会社の場合、海外保険の相場は1年間の契約で15~20万円です。
現地の保険会社の方が安い傾向にあり、相場は5.5万~8万円となっています。とはいえ、自らカナダの保険会社に連絡するのは難しいでしょうから、留学エージェントに相談するのがおすすめです。手数料無料で対応してくれるところがあります。
渡航後にかかる費用 |
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ここからは、渡航後に必要な出費となるため、基本的にはカナダドルで計算する必要があります。為替レートで変動しますが、今回は1カナダドルを80円とした場合の、おおよその価格を日本円で記載します。
カナダへのワーホリの費用総額は100~150万円と記載しましたが、語学学校に行くとなると金額は跳ね上がります。語学学校の費用は月々10~15万円が相場で、1年間通えば120万円以上です。
ただ、ワーホリは語学学校へ通うことが必須ではありません。そもそも、ワーホリという制度は、二国間や地域の取り決めにおいて、休暇や旅行の滞在資金を現地で得るための就労を認める、というものです。
そのため学生ビザとは違い、通学はしてもしなくても構わないことになっています。
とはいえ、語学学校に通う人の方が実際には多いです。おすすめは、まず最初の1ヵ月など短期間だけ通い、その後はアルバイトなどをしながら日常生活を満喫するスタイルです。
短期間でも最初に学校に通っておけば、語学力に自信がない人でも日常会話が成立しやすくなります。現地での友達を作りやすいという意味でもメリットです。
自分の現在の語学力を鑑みて語学学校へ通う期間を想定し、学費を算出しましょう。
語学力や現地での生活に自信がない人におすすめなのがホームステイです。ホームステイ先の家族やスタッフの受け入れ体制がしっかりしていることが多く、困ったときに手助けしてくれます。食事付きのプランが多いこともメリットです。
費用は月々8~10万円を見込んでおきましょう。家賃自体は、食事付き・室内インターネット通信費・個室の相場が6~7万円です。これに加えて、交通費や携帯電話代、雑費を含めると8~10万円となります。
シェアハウスは家賃が安いのがメリットです。家賃相場は月々3~5万円で、固定費を抑えられます。その分、自分で食事を用意したり、必要に応じてweb回線の契約をするなど、変動費が大きくなることには注意しましょう。
交通費や雑費、食費を含めた平均費用は6~9万円となります。自分で調整できる費用が多い分、節約意識の高い方におすすめです。
携帯電話に関しては、現地で改めて契約するのか、日本キャリアの海外サービスを活用するのかで金額は変わります。
しかし、日本キャリアのまま海外利用するのはおすすめしません。ワーホリに対応したプランがあるなら別ですが、多くは短期間の旅行用で、通常の料金に加えて1日ごとの利用料が請求されてしまいます。
長期滞在するワーホリの場合、次のような手段があります。
現地での月々の金額は、インターネット通信なしの通話のみで3,000円、インターネット利用ありで6,000円を目安にしましょう。
また、日本で使用中の携帯の通信については、休止できることがほとんどです。これは長期旅行者向けの措置で、1,000円程度の手数料と月々数百円を支払えば、電話番号を保管しておいてもらえます。帰国後に復活可能です。
ただし、通信費は休止できても、端末代金の残債の請求は続きます。
続いて、ワーホリの質を左右する出費について見ていきましょう。最大級節約しようと思えば、アルバイト以外の時間は引きこもることになりますが、それではワーホリに行く意味が薄れます。
ある程度余裕をもった生活をするために、考えたい出費をそれぞれ見ていきます。
アクティビティは、要するに勉強とアルバイト以外の活動全般です。旅行・イベント参加・スポーツなど、たくさんの候補があります。カナダならではのところでは、ラフティングやウィンタースポーツがメジャーです。
語学学校では、生徒同士の交流を目的としたアクティビティが、ほぼ毎日開催されているところが多めです。参加費無料なものもありますし、比較的参加しやすい金額です。
自分でアクティビティを見つける場合は、団体料金にならない分、割高です。1カ所あたり10~50カナダドルが相場で、日本円にすると800~4,000円程度となります。
さすがに毎日参加するのは予算も足りなくなりそうですが、月に何回かは参加した方がいいでしょう。語学学校やアルバイト先で知り合った人たちと交流を深めることはもちろん、カナダならではの体験ができたり、感情を英語で表現する訓練になります。
必ず参加したいアクティビティの料金は事前に調べ、あとは毎月どれくらいの予算まで参加できそうか、考えておくことをおすすめします。
カナダの最低賃金は州によって異なるとはいえ、概ね10~11カナダドルです。レストランで働ければ、13カナダドル程度もらえます。
参考として物価を見てみましょう。なお、現地での収入を現地で支出するわけですから、ここではあえて日本円では記載しません。
最低賃金で1時間働けば、自炊なら3食分は用意できそうですね。ただ、恋しくなりそうな米に関しては、タイ米は安いものの日本米は格段に高いので気を付けましょう。
また、ホームステイ先によっては家の中でできる仕事でおこづかいをくれたりもします。仕事を手伝うことで宿泊場所を提供してくれるホテルもあるので、友人たちと旅行に出かけるときは選択肢に入れましょう。
具体的なアクティビティ以外での交際費も必要です。学校やアルバイト終わりに友人や同僚と食事に出かけることもありますよね。
外食は、食事代とチップを分けて考える必要があります。料理に支払う代金自体は、ファミリーレストランだと1食12~18カナダドルです。そこにチップが加わります。
一般的なサービスなら代金の10%、良質なサービスと思えば20%を払うことがルールです。
原則、チップ不要でOKのファストフードは30~40カナダドルです。節約するなら、外食ばかりでなくホームパーティも検討すると良いでしょう。
ワーホリ自体が旅行ですが、そこからさらに旅行に出かけることもあります。
たとえば、ホームステイやシェアハウスなどの拠点をバンクーバーに置き、トロントへ出かけてバスでナイアガラに向かう、などです。カナダ旅行で最も安く宿泊するなら、複数人で泊まるドミトリー制のユースホテルが候補です。1泊あたり25カナダドルで泊まれます。
一般的なホテルになると、カナダは日本とは違って1部屋あたりの金額になるため、ミドルクラスで1部屋100カナダドルが目安です。
その他、交通費も加味して旅行費を計画しましょう。
また、高額にはなりますが、カナダから行きやすいアメリカへ旅行する人もいます。
最後に、旅行や留学とは違う、ワーホリならではの注意点を紹介します。アルバイト先の選び方にも触れるため、参考にしてみてくださいね。
ワーホリの制度自体が、旅行を目的とし、なおかつその費用を現地で働くことで賄いたい、という青少年向けのものです。
そのため、最初から語学を身に付けることを目的とした留学よりも、サポート体制が整っているとはいえません。働くからには、どの職種にせよ日常会話程度の語学力は必須となります。
また、数日の観光旅行とも違います。旅行も留学と比べれば自分だけで対処しなければならないことが多いものの、相手が「お客様」として対応してくれるからです。
しかし、長期滞在のワーホリでは、ホームステイ先の家族がいつまでもお客様扱いしてはくれません。いつまでも通じない英語では相手も困ってしまうでしょう。
信頼できるエージェントや語学学校の紹介でバイト先を選ぶなら、バイト先も受け入れ態勢をとってくれているでしょう。
しかし、自分で見つけて働くのなら、バイト先選びは慎重になる必要があります。ここが、予め語学力がある程度必要になる理由です。
仕事内容の説明を十分に理解できず、実際に働いてみたら長時間労働や危険を伴う過酷な労働だった、ということもあり得ます。
また、過酷だったために離職を希望しても、契約期間を楯に嫌がらせを受けたという声もあるので、しっかりと調べましょう。友達やホームステイ先の家族に相談するのも手です。
カナダは比較的治安の良い国ですが、日本の治安の良さは世界的にかなり上位なので、同じ基準で考えてはいけません。都市部のバンクーバーにも「一人歩き注意」とされているエリアがあります。
昼間は治安が良いのに、夜になると一変して治安が悪くなる場所もあるので要注意です。
また、治安は良くても物件が悪いということもあります。ホームステイやシェアハウスを3ヵ月、その後は自分でアパートを契約する人が多いですが、そのときにはこの点を考慮しましょう。入居者募集の広告をみつけ、写真や間取りを見ただけで契約してしまうのはNGです。
実際に行ってみたら老朽化していたり、騒音や隣人トラブルが激しく耐えがたい物件という恐れがあります。
また、ホームステイやシェアハウスの内容には何の問題がなくても、個人間のトラブルは別物です。とくにルームシェアにおいては、一緒に暮らし始めた仲間の1人が家賃を払わなくなって、肩代わりさせられるハメになった、というケースがあります。
滞在先選びは焦らず、時間をかけて慎重に行いましょう。
ワーホリは、助けてくれる人が多い留学や短期間の旅行とは違い、自分でどうにかしなければならないことだらけです。その分、必要に迫られて語学力が急速にアップする傾向にあります。
また、大学での講義など縛られる時間がないため、好きなだけ働くことができます。語学学校に通うにしても、自分で必要な期間を決められるため費用を抑えたい方におすすめです。
早く安く語学力を向上させたいなら、ワーホリを検討してみましょう。
この記事のポイント |
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