海外の大学・大学院では、IELTS(アイエルツ)のスコアを要求されることがあります。しかし、IELTSという文字を初めて見るという方もいることでしょう。
IELTSは世界的には広く認知されている試験であり、ある程度のスコアを取得しておくことで海外大学・大学院への入学が有利になります。ここではIELTSについてなじみがない方に向けて、IELTSの基本的な情報から、IELTSスコアが留学にどの程度必要なのかということをご紹介します。
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海外の大学にいくには英語力の証明が必要となり、大学によってはIELTSのスコア取得が不可欠になります。ここではIELTSについてご紹介します。
IELTSは英語力を証明する試験になっており、大学などの教育機関に入学する場合に受験する留学生が多くいます。また、英語圏の国に移住する方が、英語力の証明をする手段としても受けることがあります。IELTSはイギリス、アメリカの有名な国を含め世界約120カ国で実施されており、年間140万人ほどの方々が受験します。
IELTSは世界的に見ても英語の能力試験として認められていますが、日本人にはあまり認知されていないといえるでしょう。このIELTSの試験とよく似たTOEFL iBTという試験も存在します。これら2つはよく混同されますが、どのような違いがあるのでしょうか。
IELTSはイギリスをはじめ、オーストラリアやニュージーランド、カナダなどの教育機関を中心に、入学時の条件として採用されています。試験問題にはイギリス英語が使われているのが特徴で、アメリカの一部ではIELTSが採用されていない場合もあります。
TOEFL iBTはアメリカ英語の試験となっており、アメリカではおもにこちらが入学基準として採用されています。しかし、アメリカでもIELTSは浸透してきており、学校によっては双方のスコアを求められる場合もあります。
国による違い以外にも、評価方法や試験環境などの細かい違いがあります。こちらも混同しないように覚えておきましょう。
IELTSはライティング、リーディング、スピーキング、リスニングの英語の4技能から構成されており、受験者の総合的な英語力を測ることが可能となっています。具体的な試験内容は以下のようになっています。
ライティング
ライティングの試験時間は60分となっており、内容は英作文やグラフなどを参照して、それについて自身の意見を書きます。またテーマに沿って内容を読み取り記述する必要もあります。
リーディング
リーディングでは60分の試験の間に3節の文章を読み、それらについての選択問題や記述などが出題されます。問題の種類は要約や誰かのメモなどを読み解く問題が出題されます。
リスニング
リスニングは40分となっており、日常生活や学術に関する内容などの会話を聞いて答える形式になっています。問題の内容は文章の一部を穴埋めするような形式のものが多いのが大きな特徴といえるでしょう。
スピーキング
スピーキングは11~14分の間となっており、事項紹介やスピーチ、ディスカッションなど面接官の前でおこないます。時間は短いですが、しっかりとした文法を使用して自分の意見をはっきりと話す練習をする必要があります。
IETLSは英語に関するすべての技能を審査されます。リーディング、リスニング、ライティングまでは休憩がなく2時間40分は試験に集中しなければいけないため、英語力だけでなく集中力も要求される厳しいものとなっています。しかし、学習を積み重ねることでスコアは上げることが可能です。
しかし、どのように学習すればいいのかわからない方や、スピーキングの練習をどのようにすればいいかわからないという方もいるかもしれません。そこで効果的な学習形態として語学留学があります。海外の語学学校ではIELTSを専門にしているコースなどがあるため、効果的に自身の弱点の克服法や、学習の進め方などを確認することができるでしょう。
IELTSは0.5刻みで9を最高点としてスコアを出しています。IETLSのスコアを留学で必要とする大学もありますが、求められるスコアには大体の目安があります。大学によってもスコアは変動しますが、ここでは国別に必要なスコアをご紹介します。
カナダ(大学6.0~6.5 大学院7.0)
ニュージーランド(大学6.0 大学院6.5~7.0)
イギリス(大学5.5~6.5 大学院6.5~)
アメリカ(大学6.5~7.5 大学院7.0~)
オーストラリア(大学6.0~6.5 大学院6.5~)
ここでは有名な国のスコア平均を取り上げましたが、これらはあくまで平均であり、大学によってかなりばらつきがあります。大学によってはさらに高い点数を求めるところもあれば、取り上げたスコア以下の大学、大学院も存在します。
もし大学受験を検討しているのであれば、IETLS6.0以上のスコアを所持していれば一般的な大学の多くで基準値を満たすことが可能になります。しかし、有名大学は6.0では厳しい傾向にあるため、自身のいきたいと思っている大学についてしっかりとリサーチしておきましょう。
IELTSの受験にはいくつかの準備が必要になります。ここではどのような準備が必要になるのかご紹介します。
IELTSには準備することがいくつかあります。IELTSには2種類の試験がありAcademicとGeneralに別れています。大学留学を希望しているかたはAcademicになり、移住を考えている方はGeneralになります。自身の留学形態に合わせ種類を選択しましょう。
IELTSの受験にはパスポートが必要になります。有効期限の過ぎていないパスポートを用意しましょう。このパスポートは受験当日も必要になるため大事に保管しておいてください。
試験を受けるにはIELTSの公式ホームページにてIELTS IDの取得が必要になります。このIDを取得することで、IELTSのサイト内で自身の住所やパスポート番号などを登録することができます。登録を進めていくと試験日の選択があり、1日で試験をすべて終了させるか、2日間にわけておこなうかを選ぶことができます。
以上の手続きを完了すると支払い画面に進みます。支払い方法はクレジットカード、コンビニ決済、郵便局ATM振込の中から選択できます。支払い方法を決定して、25,380円の費用を支払いましょう。
受験費用を支払った後はメールが届くので、パスポートのコピーを指定されたIELTSの事務局に送付しましょう。期間は2週間と決まっているため、期日を守る必要があります。期日に遅れると受験資格がなくなるおそれがあるため、注意しておきましょう。
以上がIELTSを受ける手順になります。IELTSスコアが留学に必要な方はしっかりと準備をしましょう。費用は安くはないため、複数回にわたって受験してしまうと高額になります。費用を払ってしまうと返金はできないので注意してくださいね。受験地の変更する必要がある場合は1回までなら受け付けてもらえるため、受験地の変更をしたい場合は申請しましょう。
IELTSのスコアが留学時に低い場合でも、必ず入学できないかというとそういうわけではありません。大学によっては条件付き入学というものが認められており、条件をクリアすることによって、英語力の高さに関係なく入学をすることが可能になります。
この条件とは大学の付属英語コースや大学から指定された語学学校にて、規定基準を上回る成績を収めることがあげられます。
通常大学に入るには高いレベルの英語力が必要になりますが、語学学校や指定された英語コースを受講することで比較的低いレベルから学習をはじめることができます。しかし、それでも規定基準を上回ることは決して容易ではありません。
そのため、大学入学に向けた確かな英語力を身につける必要があるでしょう。また、大学によって指定条件なども違う傾向にあるため、志望校の条件付き入学について確認することをおすすめします。
IELTSは世界的にも認知されている英語力を測る試験であり、大学・大学院入学で取り入れられています。IELTSは大学留学に必要になりますが、スコアの取得目安は国や大学よって違うため、自身で調べる必要があります。IELTSの受験にはパスポートや費用の支払いなどを期限以内にする必要があるため注意しましょう。
もしIELTSのスコアが大学・大学院の基準値に達していない場合でも、条件付き入学を利用することで留学が可能になることもあります。しかしIELTSのスコアが高いに越したことはありません。ですがIELTSで高いスコアを得ることは簡単ではないという方もいるでしょう。このような場合は留学エージェントに訪れてみるのもいいといえます。
留学エージェントは要望にしっかりと応じて、ベストなIELTS対策コースを提案してくれることでしょう。そのためIELTSのスコアに伸び悩みを感じている方は留学エージェントにいくことをおすすめします。