近未来的な高層ビルと豪華な観光スポットで知られるドバイは、世界中から旅行者やビジネスパーソンが集まる人気都市です。
中東のイメージから「治安は大丈夫?」と不安になる方も多いかもしれませんが、実際の状況はどうなっているのでしょうか。
今回は、公的機関が公表している統計や海外安全サイトなどをもとに、ドバイの治安状況や気をつけたいポイント、トラブルへの対処法を詳しく紹介します。安全に滞在するためのヒントを押さえて、ドバイでの時間を有意義に過ごしましょう。
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ドバイはアラブ首長国連邦(UAE)を構成する7つの首長国の一つで、人口約333万人を擁する最大級の都市です。UAE全体が石油や金融ビジネスで成長を遂げてきた背景もあり、政治的・経済的に比較的安定しています。
世界の平和度を測る「Global Peace Index 2023」では、UAEは163か国中およそ75位にランクイン1。欧米やアジアの安全な国々に比べると順位は中間程度ですが、中東地域の中では相対的に高い評価を得ています。
さらに、民間の統計サイト「Numbeo」が発表する「Crime Index by City 2023」を見ると、ドバイの犯罪指数は16.4と非常に低い水準2。多くの欧米主要都市よりも数値が低く、軽犯罪の発生率も低いとされています。
UAE政府観光局や日本の外務省海外安全ホームページでも「一般的に治安は良好」と言及されており3、海外からの旅行者やビジネス渡航者にとっては安心できる都市といえるでしょう。ただし、厳格なイスラム法(シャリア法)に基づく規制や、文化・慣習の違いに注意が必要な場面もあります。
まずはドバイ主要エリアごとの注意点などを解説していきます。
超高層ビル「ブルジュ・ハリファ」や巨大ショッピングモールが集まるダウンタウンは、ドバイを代表する観光スポットです。人通りが多く明るいエリアなので、夜間でも比較的安全とされています。
ただし、観光客の多い場所ではスリや置き引きに注意する必要があります。特にショッピングモール内でのカバン管理や、レストランでの席を離れる際などは油断しないことが大切です。
ヨットハーバーや高級マンションが立ち並ぶドバイ・マリーナは、比較的新しいエリアで治安も良好です。欧米系の駐在員や富裕層が多く居住しており、夜間でも人通りが絶えません。
とはいえ、海沿いの閑散とした場所や工事エリアなどは夜に人目が少なくなるケースがあるため、必要に応じてタクシーを利用すると安心です。
スーク(市場)や歴史的建造物が残る旧市街は、ドバイの伝統文化を感じられるエリアです。観光客が多く訪れる一方、狭い路地や人混みではスリ被害が起こる可能性もあります。
また、一部地域では在留外国人労働者向けの安宿や下町エリアがあり、夜間は暗い路地を避けて大通りを歩くように心がけると安全です。
次に、ドバイで気をつけたい犯罪と、それぞれの対策を解説します。
ドバイの軽犯罪率は他の大都市より低い水準ですが、観光客を狙ったスリや置き引きはゼロではありません。ショッピングモールや観光地では人混みが多いため、バッグのファスナーをしっかり閉め、貴重品を目の届く範囲で管理することが重要です。日本の感覚で無防備に行動すると、思わぬ被害に遭う可能性があります。
UAEはイスラム教国であり、アルコールや薬物、公共の場でのスキンシップなどに厳しい規制があります4。法律を知らずに違反行為をすると、逮捕や罰金など重い処罰に直面する恐れがあるため注意が必要です。
また、写真撮影にも制限があり、政府関係施設や他人の住宅を無断で撮影することは違法とされています。文化や宗教への配慮を忘れず、事前に禁止事項を確認しておくと安全です。
観光客を対象とした「金銭詐欺」や「偽ブランド品販売」に注意が呼びかけられています。街頭での強引な勧誘や、極端に安い高級ブランド品には要警戒。
万が一、言い争いになりそうな場合でも感情的にならず、速やかに立ち去るか警察へ連絡してください。ドバイ警察(Dubai Police)は各地区に駐在しており、英語での対応も可能です。
ドバイで長期滞在をする際に気をつけるポイントも解説します。
治安とは異なりますが、留学の際は必ず留意してほしい点です。
ドバイで長期滞在を予定している場合は、学生ビザや就労ビザなど、目的に応じた適切なビザが必要です。UAE内務省や日本の在外公館が提供する最新のビザ情報を必ず確認し、期限切れや書類不備に注意しましょう5。不法滞在とみなされると厳しい処罰が科されるケースもあります。
近年では、英語やアラビア語の学習を目的にドバイへ留学する日本人も増えています。ホームステイやシェアハウスを利用する場合は、文化や宗教的慣習の違いを尊重し合うことが大切です。女性が部屋着のまま共有スペースに出ることなど、家族やハウスメイトによっては快く思われない場合があります。事前に生活ルールを確認し、トラブルを避けるよう心がけましょう。
ドバイには世界水準の医療施設が数多くあり、公的病院・私立病院ともにハイレベルの治療が受けられます。ただし、医療費は高額になりがちなので、海外保険の加入は必須です。
ドバイ保健局(DHA)が運営する公式サイトでは、病院検索や緊急時の連絡先などの情報が提供されています6。万が一のためにGP(一般診療医)や最寄りの病院を把握しておくと安心です。
下記は、ドバイで困った際に活用できる連絡先や窓口です。
ドバイでの緊急連絡先は以下のとおりです。警察・救急車・消防のすべてに対応しており、英語でも通じます。
パスポートの紛失や盗難、重大なトラブルに巻き込まれた場合は、在アラブ首長国連邦日本国大使館が相談窓口となります。場所や連絡先は必ず渡航前にメモしておきましょう7。
ドバイの大学や語学学校には、留学生向けの国際部やサポート窓口が設置されている場合があります。問題が起こったら一人で抱え込まず、まずは身近なスタッフやエージェントに相談してください。文化の違いや法制度についても、専門スタッフからアドバイスを得られることがあります。
Q1:ドバイは夜でも安全に出歩けるのでしょうか?
A:主要観光エリアや大通りは明るく警備も行き届いているため、比較的安全とされています。ただし、深夜は人通りが減る場所もあるため、タクシーや配車サービスを利用するとより安心です。
Q2:女性の服装で気をつけることはありますか?
A:イスラム教国のため、肌の露出を控えることが望ましいとされています。過度な露出は法律違反ではない場合もありますが、現地の慣習を尊重し、肩や脚を隠した服装を選ぶと安心です。
Q3:アルコールはどこでも飲めますか?
A:アルコールはライセンスのあるホテルやレストラン、バーで提供されますが、公共の場での飲酒は厳しく禁止されています。違反すると罰金や逮捕の可能性があるため、必ずルールを確認しましょう。
ドバイは中東の中でも治安が良好で、高度に発達した都市インフラや警備体制が整っています。観光地や商業エリアでは夜間も比較的安心して過ごせる一方、イスラム教国ならではの法律や規制があるため、日本とは違う文化やマナーを守ることが大切です。
スリや置き引きなどの軽犯罪に対しては、貴重品管理や防犯意識を高めることで被害を未然に防ぐことができます。もしトラブルに遭った場合は、警察や大使館、学校のサポート窓口を積極的に活用しましょう。ルールをしっかり把握しつつ準備を整えれば、ドバイでの留学や観光はきっと充実したものになるはずです。
「中東政治の中心地」として知られるドバイは、美しいビーチや砂漠沿いに豪華リゾートや超高層ビルが建ち並ぶ世界有数の国際都市です。 そんなドバイ留学の一番の特徴は多国籍な環境です。世界各国から様々な人々が行き交うドバイでは、政府主導で国内の美化や外国人が生活しやすい環境作りを積極的に行っており、現在では人口の85%以上が外国人と言われるほどです。 さらに「無犯罪都市」 と呼ばれるほど治安が良く、リーズナブルに旅行や留学ができる国として、近年世界中から注目を集めています。