ワーキングホリデーの渡航先の中でも、近年注目を集めているのが、アイルランド。申請受付が可能な期間が1年に2回設けられており、現在の英語力に関わらず、条件を満たせば、誰でも申請することができます。
アイルランドでは、オーストラリアやイギリスなどの国々比べて、日本人の割合が少ないため、語学力向上に集中して取り組める環境といえます。
そこで、今回はアイルランドのワーキングホリデーについて、ビザの申請手続きや、渡航前や滞在中にかかる費用、仕事の探し方まで、網羅的に解説をしていきたいと思います。
CONTENTS
まずは、ワーホリビザの申請条件や申請の流れを解説していきます。
ワーホリでアイルランドに渡航し、就労・就学するためには、ビザ(査証)が必要になります。ビザを申請するにあたっては、煩雑な手続きを行う必要がありますし、書類に不備があった場合には、差し戻されてしまう可能性もありますので、余裕を持って、準備を進めるようにしましょう。
特に海外に渡航したことがなかったり、同様の手続きを行なったことがない方は、以下の概要を参考にしながら、早めに準備を進めることをおすすめします。
アイルランドのワーホリビザ申請は、年に2回行うことができます。
2024年度の申請期間は以下のとおりです。
第1回申請受付期間 | 2025年1月15日(水)~2月7日(金) ※2025年9月30日以前の渡航予定の方が対象 |
第2回申請受付期間 | 2025年7月15日(火)~8月1日(金) ※2025年10月1日~2025年3月20日の渡航予定の方が対象 |
アイルランドのワーホリビザ申請時の概要は以下の通りです。
項目 | 内容 |
定員数 | 800人 |
年齢 | 申請書受理の時点で、18歳以上30歳以下であること |
パスポート | アイルランドを出国する時点で6ヶ月以上の有効期限を有していること |
滞在賃金 | 滞在中にかかる生活費として50万円以上を所持していること |
必要なもの | 滞在期間中は医療保険に入ること |
申請可能期間 | 年に2回(例年は1月と7月) |
申請条件 | ・以前、「ワーキングホリデー・プログラム」でアイルランドで就業・就学したことがないこと ・配偶者を含む扶養家族を随行させないこと(配偶者に申請資格がある場合は、それぞれ申請することが可能) ・申請時に日本に居住していること ※その他の申請条件はこちらを参照 アイルランド-日本 ワーキング・ホリデープログラム 申請のご案内 |
ビザ申請方法 | オンラインのみ(メールで申請書を送付) |
ビザ申請料金 | 16,200円 |
ビザ有効期限 | アイルランド入国から1年 |
滞在期間 | 最長12ヶ月 |
就学可能期間 | フルタイムでの就学が可能 |
就労可能期間 | フルタイムでの就労が可能(週に39時間まで) また、仕事の種類に制限はない |
次に、アイルランドのワーホリビザの申請の流れを4つのステップに分けて、解説していきます。
ワーホリビザを申請するためには、上記の表に記載した申請条件を満たしている必要があります。
年齢やパスポートの有効期限など、細かい申請条件もありますので、入念にチェックするようにしましょう。
①で申請条件を確認したら、実際に申請の手続きに入ります。上記の通り、2024年は第1回目の申請が1月〜2月、第2回目が7月下旬に予定されていますので、申請の時期が来たら、申請の手続きを開始しましょう。
ワーホリビザの申請書は、アイルランド大使館のホームページからApplication Formをダウンロードの上、英語で記入をします。申請方法については、同じページにて日本語の案内文もありますので、そちらを参照しましょう。
申請の際には、以下のメールアドレスに送信をしましょう。(郵送は受理不可とされています)
workingholiday.ie.jp@vfshelpline.com
※なお、この時点では、証明写真の添付は不要です。
申請許可が下りた方に対しては、申請期間受付終了後の翌月中旬までに、申請許可に関するメールが届きます。そのメールを受信した方は、パスポートや履歴書、銀行の残高証明書などの必要書類を合同会社VFSサービシズ・ジャパンの宛先に書留で送付しましょう。
提出した必要書類の内容確認が終了したら、ワーキングホリデー・オーソリゼーション(許可証)が発給されます。郵送で指定の住所に届きますので、これでビザの発給が完了です。
なお、日本国内での手続きは①〜④で終了しますが、アイルランドに入国したら1ヶ月以内にアイルランド入国管理局にて在留カードを入手する必要がありますので、こちらも忘れないようにしておきましょう。
ビザの申請に必要な書類や申請方法の具体的な流れについては、以下の記事で詳細に解説していますので、申請する際には、参考にしてください。
アイルランドワーホリビザの申請条件や申請方法まとめ
アイルランドでは、どのように仕事を探したらよいでしょうか。
続いては、アイルランドのワーホリ中の仕事の種類や仕事の探し方について解説していきます。
まずは、アイルランドのワーホリ中に選べる仕事と時給について、代表的なものを4つご紹介します。英語ができなくても就ける仕事はありますが、英語でコミュニケーションを取れた方が、選択肢を広げて仕事を探すことができます。
また、気になる賃金ですが、2025年1月1日からアイルランドにおける最低賃金は時給13.5ユーロになります(これを円貨にすると約2,147円)。日本の平均時給は1,055円ですので、アイルランドでは、単純計算で、1時間に日本の2倍以上の給料をもらうことができます。
※1ユーロ=159円で計算
ホテルスタッフは、特に観光地のダブリンで需要の高い仕事です。受付でのお客さん対応や電話対応、予約の管理などが主な業務内容になります。日常英会話に加え、ビジネス英語を含むビジネスマナーも身につける必要があります。
経験や能力、担当業務によっても大きく異なりますが、時給13〜15ユーロが相場になるでしょう。
アイルランドの各都市の街にあるレストランやカフェで働くこともできます。接客の仕事なので、お客さんと問題なくコミュニケーションを取れる英語力を持っている必要があります。
また、アイルランドのレストランやカフェでは、料金の10%-15%ほどのチップをもらうこともできます。
現地の労働環境に慣れるためにも、最初は、お客さんとのコミュニケーションが不要な、キッチンスタッフや食器洗いなどから始めてみてもよいでしょう。
賃金は、基本的に最低賃金の時給12.7ユーロですが、十分な英語力があれば最大時給15ユーロほどで働くことも可能でしょう。
ホテルスタッフやレストランに比べると求人数は少ないですが、ベビーシッターはあまり自身の経験や英語力に左右されないため、応募しやすい仕事の1つです。
アイルランドの家庭で住み込みをしながら、現地の人の生活に触れることができますし、基本的には、家賃はかかりません。
家庭により給料の条件は異なりますが、1週間に10,000〜20,000円ほど稼ぐことができます。
オフィスでの事務作業を行うためには、ビジネスレベルの英語力が必要になります。英語でのコミュニケーション能力に加え、書類作成、ライティング能力などが求められます。
カフェやホテルなどの仕事で現地の労働慣習に慣れ、十分な英語力を身につけた方は、オフィスでの仕事にチャレンジしてみることをおすすめします。海外のオフィスで業務を行なった経験は、日本帰国後の就職活動にも役立てることができます。
業務内容にも依りますが、オフィスでの事務作業は、時給14〜18ユーロほどで働くことができます。
次にアイルランドのワーホリ中に仕事を探す方法について、3つご紹介していきます。
インターネットにある求人サイトを使えば、多種多様な選択肢の中から自分の能力や経験を踏まえた職業に応募することができますし、同じ職業でも様々な応募条件や給与等の待遇がありますので、それらを比較して、相場感を掴むことができます。
アイルランドの現地の人が使っているような求人サイトもあれば、日本語で閲覧・検索できる求人サイトもありますので、以下のようなサイトで一度仕事の内容や応募条件をご覧になってみてください。
アイルランドの求人サイト⇨Jobs.ie
日本語、英語の両方で閲覧・検索できる求人サイト⇨ Indeed(英日)
日本ではあまり馴染まないことかもしれませんが、海外の国々では、紹介によって仕事を獲得するケースも少なくなく、アイルランドでも知人から仕事を紹介してもらうことは一般的です。
現地で通う語学学校やシェアハウスのルームメイトなど、誰から仕事を紹介してもらえるか分かりません。ですので、ワーホリ滞在中は、現地での人脈を広げ、一期一会を大切にしていきましょう。
求人の張り紙がなくても、レストランやカフェなどのお店に履歴書を持っていき、「飛び込み」で仕事を獲得することも1つの方法です。
もちろん百発百中でありませんが、「その熱意が買われて採用された」「積極性が評価された」という人も中にはいるため、ぜひ一度試してみることをお勧めします。
アイルランドでの仕事の探し方や応募のコツ、具体的な履歴書の書き方については、以下の記事でも解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
アイルランド留学するなら知っておきたい仕事について!探し方や応募のコツ
ここからは、アイルランドでのワーホリにかかる費用について、解説していきたいと思います。
アイルランドのワーホリビザの有効期限は1年ですので、今回は1年(12ヶ月)の滞在を想定しました。
アイルランドの物価は、日本(主に首都圏)の物価より全体的に2〜3割高いイメージを持っていただければと思います。
項目 | 費用 |
渡航前にかかる費用 (ビザ申請料、保険料等) |
約25万円 |
滞在費用 (住居費、交通費、通信費などを含む) |
7万円×12万円=約84万円 |
食費 | 月2万円×12ヶ月=約24万円 |
航空券(往復) | 約20万円 |
語学学校にかかる費用 | (10万円×12ヶ月)=約120万円 |
合計 | 約273万円 |
上記の表では、アイルランドのワーホリにかかる費用について、各項目に分類してまとめました。ただし、住むエリアや時期、住居形態(ホームステイ・シングルルーム・シェアハウス)、それぞれの生活スタイルによってもかかる費用は大きく異なりますので、注意が必要です。
また、滞在中に就労(1週間に最大39時間)を行う場合は、それにより定期的な収入を得ることができますが、就労を行わない場合は、年間で300万円ほどの大きな出費になりますので、しっかりと貯金をしてから渡航するようにしましょう。
さらに、現地での旅行や娯楽にかかる費用なども考えて、ワーホリに向けた準備をしていきましょう。
アイルランドの物価や生活費について、詳しくみる
日本は数多くの国々とワーホリ協定を結んでいますが、その中でもアイルランドのワーホリはとても人気です。
続いては、アイルランドのワーホリの魅力を5つご紹介していきたいと思います。
アイルランドは、英語を公用語としているため、就学、就労はもちろん、日常生活でも英語を使ったコミュニケーションが必要になります。
「生きた英語」を使って、毎日のように現地の人と会話をすることで、高いモチベーションを維持しながら、英語力を上達させることができます。日本でも、英会話教室などで英会話を上達させることはできますが、日常的に英語に触れることはとても難しいです。
また、ワーホリビザで就学期間が定められている国もあるのですが(例えば、カナダのワーホリでは「就学は6ヶ月まで」という制限)、アイルランドのワーホリには、就学期間に制限がないため、語学力を向上させるべく、語学学校で存分に英語を学ぶことができます。
アイルランドはオーストラリアやカナダなどと比較して、全人口あたりの在留邦人の数も少ないため、「日本人が少ない国で英語を学びたい」という方には、アイルランドがピッタリです。特にゴールウェイなどの地方都市に行けば行くほど、日本人を見かけることは少なくなります。
アイルランドには、パブ文化が浸透しています。パブでは、アイリッシュ・ミュージックが流れるパブで、賑やかな雰囲気を楽しむことができます。
また、アイルランドでは、音楽や美術、彫刻、儀式などを通じて、ケルト文化を肌で感じることができます。
ゲルマン民族の大移動やローマ帝国の侵攻により、現在のアイルランドに大移動を強いられたケルト民族でしたが、彼らはアイルランド社会に様々な伝統や文化を残し、それらは今も国内外多くの人から愛されています。
日本でも普及し、毎年の一大イベントにもなっているハロウィンですが、これもケルト文化が起源となっているのです。
ワーホリの醍醐味といえば、旅行。ワーホリビザでアイルランドに渡航すれば、就学や就労をしながら、欧州を周遊できます。
アイルランドはEU加盟国ですので、入国審査に手間をかけることなく、欧州の国々を巡ることができます。また、アイルランドは島国ですので、一度は(1〜2時間ほど)飛行機に乗る必要がありますが、大陸に入ってしまえば、鉄道やバスなどで国境を簡単に移動することができます。
さらに、(イギリス等の国を除き)ほとんどの国では、通貨「ユーロ(EUR)」が使われていますので、旅行の度に両替をすることなく、周遊できることも大きなメリットです。
アイルランドでは、各都市の中心部に行くと、歴史的な街並みや賑やかな繁華街を目にしますが、そこから少し移動しただけで、一変した大自然(湖、川、牧草地)の景観や雰囲気を楽しむことができます。
アイルランド国内では、モハー断崖やウィックロー山地を代表とする美しい景観が各所で見られ、その圧倒的な美しさから「エメラルドの島」とも称されています。
アイルランドは他の欧州の国々と比較して、治安が良いと言われています。
外務省が公表している安全対策基礎データによると、アイルランドにおける2022年の年間犯罪発生総件数は、約18万件。他方、アイルランドのお隣のイギリス(スコットランドは除く)では、2021年に発生した犯罪の総数は約605万件、ドイツは505万件。アイルランドの治安が良いことは、一目瞭然です。
ただし、「日本ほど安全な国はない」とも言われているほどですので、日常的に発生しうるスリや強盗、ひったくりには細心の注意を払う必要があります。現地での生活に慣れるまでは、無闇に夜に出歩くことも避けた方がよいでしょう。
ワーホリで行く国の概要を知っておくことはとても重要です。
続いては、アイルランドがどのような国なのか、アイルランドの国情報について、ご紹介していきます。
正式名称 | アイルランド共和国 |
言語 | 英語、アイルランド語(生活で使用されるのは主に英語) |
人口 | 528万人(2023年4月) |
首都 | ダブリン |
気候 | 暖流(メキシコ湾流)の影響で、年間を通して比較的穏やかで過ごしやすい気候です。夏は30度に届かないですが、冬は氷点下を下回ることもあります。 |
通貨 | ユーロ(EUR) 1ユーロ=159円(2024年12月時点) |
宗教 | キリスト教(主に75%以上がカトリック教徒) |
なお、先述した通り、アイルランドの治安ですが、アイルランドは、欧州の中でも比較的安全な国ではありますが、盗難やスリなどの軽犯罪は発生しますので、常に警戒心を持ちながら生活するように心がけましょう。
特にダブリン市内やその近郊では、ギャング同士の抗争や暴行が発生したという報道もありますので、なるべく夜は出歩かないようにしましょう。
続いては、アイルランドの主要3都市をご紹介していきます。
アイルランドの首都であるダブリンは、歴史や音楽、文学、美術が融合した雰囲気を持っている都市です。
国際的な都市でもあることから、多くの留学生の渡航先として人気であり、実際に欧州から多くの留学生がダブリンで学業に励んでいます。そのため、ダブリンでは、多種多様な文化に触れながら語学を学び、また就労経験を積むことができます。
また、ダブリンでの週末もとても充実したものになります。歴史的な街並みを楽しむこともできますし、多くの国立美術館や博物館があるため、アートや歴史を存分に学ぶことができます。パブ文化の根付くアイルランドの中心地で、ギネスビールの工場に行くなど、伝統的なアイリッシュ文化を堪能することもできます。
ダブリン留学について詳しく知る
コークはアイルランドにおける2番目の都市で、アイルランドの南部に位置しています。
コークには、街を流れるリー川を中心に、美しい自然・景観が広がっています。また、ブラックロック城やエリザベスの塔など、様々な歴史的建造物を楽しむことができます。
大学や語学学校もたくさんあるため、学業に専念する環境といえるでしょう。首都のダブリンと比べても、コークで就労・就学している日本人留学生は少ないため、「留学先では日本人との関わりをなるべく減らしたい」という方にはピッタリです。
コーク留学について詳しく知る
アイルランドの西部に位置するゴールウェイでは、アイルランドの伝統文化や歴史、音楽を肌で感じることができます。エド・シーランの有名曲「ゴールウェイ・ガール」(Galway Girl) もこの都市が曲の舞台になっています。
特にゴールウェイでは、アイルランド語の文化や伝統が色濃く残されているため、アイルランドやアイルランド語と言った現地の文化を学びたい方にとっては、とてもおすすめな都市です。
また、ハイ・ストリートと呼ばれる街の繁華街では、アイルランドの伝統的な音楽やジャズに触れることができ、アート関連のフェスティバルも頻繁に開催されています。
ゴールウェイ留学について詳しく知る
豊富な自然と歴史、文化が融合した魅力的な国、アイルランド。欧州諸国の人々を中心に毎年多くの人が訪れており、日本からのワーホリ渡航者の中でも、人気を博している国の1つです。
カナダやオーストラリアなどの国々に比べて日本人が少ない環境で英語を集中的に学べることは、とても貴重な経験となるでしょう。
一方、ビザ申請までの手続きに時間がかかったり、滞在中の出費も少なくありませんので、計画的に
準備を進めていくことがとても大事です。
留学費用を従来の最大半額で実現したスマ留では、お客様のニーズに合わせた最適な国や期間を提案することができます。アイルランドでのワーホリを検討されている方は、まずは無料カウンセリングを受けてみてはいかがでしょうか。
アイルランドは、緑豊かな大自然やヨーロッパの古くからの文化であるケルトのカルチャーを感じることができる国です。 人口の40%が25歳未満の若者と、とてもフレッシュでエキサイティングな国でもあります。 ヨーロッパに位置するが、物価は他ヨーロッパ国に比べて安いです。 また、休日を使って近隣ヨーロッパの国々へ気軽に旅行ができるところも魅力です。 教育に対してもヨーロッパトップレベルの水準で、大学進学希望者数も多いです。